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第5回 夜景と感度とシャッタースピードの関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/3 ページ)

» 2004年09月16日 08時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

夜景モードは使えるか

 夜景の難しさは3つある。一つは暗いのでシャッタースピードが遅くなること。二つめは暗いのでピントが合いにくいこと。三つ目は明暗差が激しい(暗いところは真っ暗だし、その中に小さな灯りがたくさんある)ので、露出が合いにくいこと。

 撮る人間にとっても難しいけど、カメラにとっても難しいのだ。

 よって、多くのカメラは夜景をきれいに撮るための専用の「夜景モード」を持っているのである。ただし、夜景モードといってもカメラによって中身が違うので、一概に夜景モードを使えばきれいに撮れるとはいえない。今回いくつかのカメラで撮ってみたが、ソニーのサイバーショット「DSC-P150」の夜景モードはなかなか優秀でいい結果が得られた。

サイバーショット「DSC-P150」で夜景を撮影(オリジナル画像はこちら

 うまくすればここまできれいに撮れるのだ。そのコツをいくつか書いておこう。

 まず三脚、あるいはそれに近いものを用意すること。軽い小型三脚をテーブルなどに置いて使うのも結構。要するにカメラを固定できればいいのだ。さらにセルフタイマーで撮れば完璧。夜景ともなると、シャッターを押したときの力でカメラが微妙に動いちゃうこともあるけど、セルフタイマーならその心配もない。最近は「2秒のセルフタイマー」という短時間タイマーを持つ機種もあるので便利だ。リモコンで撮影できればそれに越したことはない。

 次は構図を決める。もうできるだけカッコいいと思う構図をあれこれと撮ってみよう。

 このあとは細かいカメラの設定だ。

 ISO感度をセットできるデジカメの場合は、「一番低い感度」にセットする。オートにしておくと、カメラの方はシャッタースピードが遅くなりすぎないよう自動的に感度を上げてしまうが、感度を上げると画面がざらつき、それは夜空のような滑らかなシーンでは致命的になるからだ。中には夜景モードにしても感度を上げちゃうカメラもあるので注意。

 ピントはできれば無限遠に。できなくても、明暗差が激しいところなら夜でもピントは合うので、明るいビルの窓あたりでピントを合わせればまずOK。

 そして1枚撮ってみる。プレビューを見て明るすぎると思ったら、マイナスの露出補正をかけてみる。夜景モードでも機種によっては明るくなりすぎて夜の雰囲気が出なかったり、明るいところが白飛びしたりするので、この手は有効だ。シチュエーションやカメラによってどのくらいマイナスにすればいいか変わってくるので、何パターンか撮っておくといい。

 例えばIXY DIGITALは夜景モードは持ってないが、長秒時撮影機能を使えば、1秒以上のシャッタースピードを手動でセットできる。そこでシャッタースピードを2秒にセットし、ISO感度を50に固定して撮影したのがこれ。

キヤノンのIXY DIGITAL 500で撮影(オリジナル画像はこちら

 もしかしたら部分的に、やけに緑がかって写るかもしれない。それは蛍光灯の明かり独特の「緑かぶり」が起きているから。強制的にホワイトバランスを蛍光灯に合わせると緑がかって写る現象は避けられるし、夜空もより青く写る。

 というところだ。オートや夜景モードで撮ってうまく行かなければこういったことをチェックして細かく設定してみよう。

ガラス越しに夜景を撮る

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