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第37回 クリスマスとイルミネーションの関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/3 ページ)

» 2005年12月08日 08時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

イルミネーションの基本

 クリスマスが近づくと各所であらわれる派手なイルミネーション。夜の歩いてるとついつい撮りたくなるし、現にカメラを向けている人が多数いる。年の1度のこと、きれいに撮ってデジカメで残してみよう。

 イルミネーションを撮るのは、コツさえつかめば簡単。

 まずストロボは使わないこと。普通にカメラを向けて普通に撮ると、必ずストロボが焚かれる。暗いから当たり前だ。

 でもストロボの光は遠くには届かないし(せいぜい2メートルくらい)、ストロボを使うとヘンに反射してめだっちゃうものがいるし(例えば、標識など光を反射するように作られているもの)、ストロボを使うとカメラは「ストロボの光で明るくして撮る」前提でどのくらいの明るさで撮るか決めるので、遠くのものは暗くてよく写らない、っていうデメリットがあるのだ。ストロボは2メートル以内で使うのが吉。

 ストロボを焚いて撮るとこうなるという例。標識が妙に光っちゃうし、背景は真っ暗。それでもイルミネーションは自ら発光していて結構明るいのでなんとか写る。

 じゃあストロボをオフにして撮ってみよう。すると、こうなる。

 あまりに暗くてシャッタースピードが落ちるのでブレてしまうのだ。夜景に限らず、暗いところで撮影するとき誰にでもやってくるジレンマである。

 そういうときどうするか。方法は3つある。

  • 高感度なデジカメを使い、高感度で撮る。
  • 手ブレ補正機能がついたデジカメを使い、手ブレ補正でブレを防ぐ。
  • 三脚を使ってカメラをしっかり固定して撮る。

 例えば前出のブレた例は、シャッタースピード1/4秒でISO100。ISO感度を上げるとその分シャッタースピードは速くなるが、ISO200で1/8秒、ISO400でも1/16秒だ。このシャッタースピードでは、よほど上手に撮らないとブレる。イルミネーションってほんのちょっとでもブレると目立つのでヤバいし、ISO400だと結構画質が落ちちゃう。高感度時の画質低下は特に暗い箇所で目立つので、イルミネーションはきれいでも背景の夜空や建物なんかにノイズが目立つのだ。

 これは高感度がウリの富士写真フイルムの「FinePix Z2」でISO800で撮ったもの。ISO800だと1/30秒で撮れるので、気をつけて撮ればあまりブレない。でもISO800なんて普通のコンパクトデジカメでは無理だし、いくらFinePixでもISO800だと画質が低下しちゃう。

 そこで手ブレ補正機能を使ってみよう。

 だが実は手ブレ補正も万能じゃない。特にシャッタースピードが非常に遅くなるとブレの幅が大きくて補正しきれないことが多いのだ。

 これは手ブレしちゃった画像の部分拡大だが、手ブレ補正機能があってもシャッタースピードがすごく遅いときはこのようにブレてしまう。もちろんないよりはましだが、手ブレ補正機能があっても、夜景はISO200以上で撮らないと難しいのだ。

 特に望遠は使ってはだめ。望遠の方が何倍もブレやすいからだ。

 つまり、高感度や手ブレ補正はすごく便利だけれども、万能じゃないということ。長い前置きになったが、やはり「きれいに撮りたいなら三脚が一番」なのだ。

 三脚といっても何万円もするゴツくて頑丈なものから、数千円で買える安くて安定性がいまひとつというものまでたくさんある。デジタル一眼レフや望遠系デジカメを使うなら2万〜3万円は払ってそれなりに頑丈なものにしたいが、200グラム程度のコンパクト機なら5000〜1万円のものでOKだ。

約7500円の軽量三脚に据え付けてみた

 三脚があるとピタッと止まる。

 そろりそろりとブレないよう慎重に撮れば、望遠ででもきれいに撮れる。

 特に「夜景モード」で撮るとき、三脚は必須だ。多くのデジカメは「夜景モード」を持っているが、夜景モードにすると暗部もきれいに撮るため、ISO感度を落とすため、よりブレに敏感になるからだ。

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