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進化した新Gシリーズ2代目――キヤノン「PowerShot G9」レビュー(1/5 ページ)

» 2007年08月21日 02時18分 公開
[小山安博,ITmedia]

 キヤノンのハイエンドコンパクトデジタルカメラ「PowerShot G」シリーズの新モデル「PowerShot G9」が登場した。昨年秋に登場した「PowerShot G7」の後継モデルであり、2年ぶりの登場となったG7に比べると変更点はそんなに多くはないが、順当なスペックアップを果たしている。

photo 先代のPowerShot G7から1年とたたずに登場した「PowerShot G9」

格段にレベルアップした液晶と使い勝手

 2004年の「PowerShot G6」以来、しばらく音さたのなかったGシリーズが復活したのは2006年秋のこと。大きなデザイン変更と最近の時代の流れに沿ったスペックを備えたモデルで、久々のキヤノン製ハイエンドコンパクトデジカメとして注目を集めた。

 それから約1年という順当な期間をおいて登場した後継モデル「PowerShot G9」は、デザイン自体はG7を踏襲し、ブラックボディのコンパクトなサイズを実現している。ボディ自体はアルミで、レザートーン塗装を施しているため、ハイエンドらしい高級感を実現している。

photo ボディは従来通り、高級感のあるブラック

 外観上の変更点はあまり多くはなく、正面から見るとモデル名以外はほとんど同じように見える。相違点としては、レンズ周りのバヨネットリングがシルバーからブラックに、リングを外すためのボタンもシルバーからブラックに変更された。このリングはアルミにブラックアルマイト処理を行っているということだ。

 背面も全体的なデザインは変更されていないが、細部を見ると変更されている部分は多い。第一に、液晶モニタが3.0型クリアライブ液晶IIになり、従来の2.5型から大型化された。本体サイズ自体はG7と同等のため、液晶の大型化でボタン位置などが微妙に変わっている。

photo 液晶モニタが3.0型に大型化された点が目を引く背面。細かいデザインの変更はあるが、おおむねG7と同等だ

 まず、光学式ファインダーののぞき窓が楕円になって省スペース化されている。再生ボタンとショートカット/イージーダイレクトボタンも、ボディをへこませてスペースをうまい具合に確保した。本体右上のAEロック/FEロックボタンの位置も変更されている。

 G7で特徴的だったコントローラーホイールは、液晶の大型化とは関係なく、デザインが変更された。これまでは、ホイールとその四隅に置かれたボタンとの間隔が近く、ボタンを押そうとして間違えてホイールに触れてしまう可能性があったが、ホイールの周囲にさらに1クッション堤防を設けて、ボタンとホイールを間違えることがないように配慮されている。また、G7ではコントローラーホイールと中央の十字キーがなだらかな山の形になっていたが、ちょっと段差をつけることで押し間違いをしないように工夫されている。

photophoto G7(左)と比べると、微妙にデザインが変更されている。再生ボタン周辺のくぼみやコントローラーホイールの周辺が目立つ部分

 ボタン数や各ボタンに割り当てられた機能に変化がないが、コントローラーホイール周りのデザイン変更は、細かいながらも使い勝手を極限まで高めようとしていたキヤノンの意識が見えて好印象だ。

 外観上の大きな変更点である3.0型の液晶は、クリアライブ液晶IIとなり、コントラスト比が大幅に向上。特に斜めから見たときのコントラスト比が約10倍に、さらに色の変化も大幅に低減したということで、たとえばハイアングルやローアングル時の撮影で、被写体がよりくっきり見えるようになり、閲覧時に横から見ても画像をキレイに見られるようになっている。

 これまで撮影直後のレビューでしか使えなかった「フォーカスチェッカー」が再生時にも利用できるようになった点はうれしい変更点。このフォーカスチェッカーは写真の全体とピント位置の拡大画像を同時に表示する機能で、構図とピントを同時に確認できる。機能自体も向上しており、これまで固定だった拡大画像のサイズを大きく表示できるようになった。また、顔検出機能のフェイスキャッチテクノロジーと連携し、認識された顔の大きさに合わせて拡大画像を表示してくれるようになった。

photo ピント部分を拡大表示するフォーカスチェッカー。再生時にも利用できるようになった
photo ズームレバーをテレ側に動かすと、ピント部分の拡大表示が大きくなって、よりピント確認がしやすくなった。十字キーでピント位置の移動も可能
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