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第81回 超望遠と眺望の関係今日から始めるデジカメ撮影術(1/3 ページ)

» 2007年09月27日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 今までコンパクトデジカメの最高倍率って12倍だったんだけれども、2007年はとうとう「18倍ズーム」というおそろしい製品が登場した。広角側にも望遠側にも伸びて、1台で広角も望遠も撮れるという製品である。18倍ズームとなれば、望遠側は35ミリ換算で500ミリ相当くらい。まあとりあえずかなり大きく撮れると思っていい。それだけの超望遠だと何を撮れるのか。

 ここでは、同じく18倍ズームレンズを備える、富士フイルムの「FinePix S8000fd」と、パナソニックの「DMC-FZ18」(と、プラス1.7倍のテレコン)を使って遊んでみよう。

photophoto 富士フイルム「FinePix S8000fd」(左)、パナソニック「DMC-FZ18」(右)

飛行機を撮る

 いつも遠くにいてなかなか撮れないものといえば飛行機。飛んでるときははるか上空だし、地上近くにいるときは空港ってことであり、空港には安全のためあまり近寄れないので結局遠くから見るしかないのだ。

 ではそんな飛行機を超望遠デジカメだとどんなふうに撮れるのか。

 DMC-FZ18に1.7倍のテレコンをつけて狙ってみた。さすがにそれなりに飛行機をよく見る場所ってことで、撮影場所は東京の「台場」(Google Map)。お台場の端にある「第3台場」。台場というのはもともと幕末に外国から日本を守るために急いで作った「砲台」で、そのうち「第3台場」がいまは公園となって自由に入れるようになっているのだ。

 そこから羽田空港に向かう旅客機を狙ってみた。

 モヤっとしているのは空気のせい。とくに湿気が多かったり空気が汚かったりすると、遠くのものはかすむ。当たり前だけど、こればかりはいくらカメラの性能がよくてもどうしようもないのだ。

 冬の乾燥した快晴の日だともっとキリッと撮れるのだけどね。

 で、DMC-FZ18には「EZズーム」という機能がある。CCDは800万画素なんだけど、中央部の500万画素分だけを使うことでそのぶんでかく撮れるという機能だ。それと1.7倍のテレコンを合わせると1000ミリ相当くらい。まあ普通ではあり得ない超望遠と思っていい。それだと上空を飛んでる飛行機をこのくらい撮れる。

 フジテレビ社屋の隙間をちょうど通過した瞬間。

 大望遠ならではである。望遠っぷりはこのように他の被写体も一緒に撮るとより際だつ。

 というわけで、日没直後くらいにお台場の観覧車を入れて撮った飛行機の写真をどうぞ。

 写真って望遠になればなるほど遠近感がなくなるという特性がある。こうしてみるとビルと観覧車と飛行機の距離感が分からなくて面白い。

 これだけではあんまりなので空港へ行ってみた。調布市にある調布飛行場である。定期便は離島と結ぶ3本だけという小さな空港だ。

 定期便が着陸する瞬間をFinePix S8000fdで撮影。300ミリ相当くらいのズーム。めいっぱいの望遠ではないが、このくらいくっきりと撮れる。

 実際に18倍ってどのくらいなのかを見てみよう。次の2枚もFinePix S8000fd。

広角端(左)、望遠端(右)

 どちらも撮影位置はほぼ同じ。滑走路の反対側の端から着陸した瞬間を望遠で撮ったのが2枚目(右写真)だ。

 飛行機のディテールがまるで絵画フィルタをかけたようにモヤっとしているのはカメラのせいではなくて、暑いから。地面からの水蒸気が悪さしているのである。これも超望遠で遠くから(滑走路が800メートルなので、約1キロ離れたところから撮影)撮っているがゆえの現象だ。

 これはDMC-FZ18+1.7xテレコン。着陸しようとしている小型機と離陸した瞬間のコミューター。ここまで寄れるのは大ズームならではである。

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