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対話できる「小さな高級機」――ペンタックス「K-7」レビュー(2/3 ページ)

» 2009年07月17日 13時20分 公開
[ITmedia]
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 撮像素子は新開発の有効1460万画素CMOSセンサー(23.4×15.6ミリ)で、最高1/8000秒のシャッターユニットも新開発されたものが搭載されている。測光センサーには新開発の77分割測光センサーを採用し、AFセンサーには中央9点クロス/全11点で新開発の「SAFOX VIII+」を搭載する。いずれも同社既存モデルから大幅なスペックアップとなっている。

 そのほか、露出の異なる3枚の画像を合成してダイナミックレンジの拡大された写真を撮影できる「HDR」機能や白トビ/黒ツブレの両方を補正できるダイナミックレンジ補正機能「D-Range設定」、液晶画面で撮影済み画像を確認しながらの多重露光撮影機能、DA/D FAレンズの歪曲収差と倍率色収差についての自動補正機能などを備える(初出時、測光ならびにAFセンサー、ならびにダイナミックレンジ補正機能について誤記がありましたので制定させて頂きました)。

 操作はスピーディで快適。起動やレリーズタイムラグ、AFスピードにもストレスはない。ミラーショックが小さいのも好感が持てる。連写速度も約5.2コマ/秒と十分。ボディに内蔵された手ブレ補正機能「SR(ShakeReduction)」は最大シャッタースピード約4段分の効果を持つほか、カメラの傾きを検知して撮像素子を動かすというSRの仕組みを利用した自動水平補正機能と電子水準器も有用だ。自動水平補正機能はSRオン時で±1度、オフ時で±2度の補正が行える。

 ライブビュー撮影の強化もポイントだ。「LV」ボタンを押すと即座にライブビューが起動し、LVボタン上の「AF」ボタンを押すとピント合わせが行われる。AF方式については、通常撮影と同一の11点測距の位相差AFと、撮像素子で測距するコントラストAFが使い分けられる。コントラストAF時には顔検出AFも利用でき、この際には合焦した被写体の追尾も可能だ。また、ライブビュー撮影時に限られるが、画面の水平/垂直と傾きを調整できる構図微調整機能も備えている。

photophoto ライブビュー時(写真=左)、ストラップ取り付け金具には、ボディに傷が付かないよう革製のストッパーが設けられている(写真=右)

 高級機を名乗るカメラの場合、どれだけ撮影者の意図を素早く反映できるかに重点を置くために、ややもするとミドル/エントリーあるいはコンパクトから乗り換えた場合、操作に迷うこともありえる。確かに本製品も豊富な設定項目を持つが、使いにくさは感じさせない。最初はモードダイヤルをグリーンに合わせ、徐々にTvやAv、Sv、TAvとダイヤルを合わせながら使い込んでいけば、カメラと対話をするように使い込んでいけるはずだ。

 連写スピードやレリーズタイムラグといった、これまでのKシリーズが弱点としてあげられてきた項目についても十分な改良が加えられており、手にした際の質感も含めて“ペンタックスらしさ”を感じさせながらも、クセはないという製品に仕上がっている。カメラと対話するように、豊富な設定項目を使い込んでいきたい、そんな気持ちにさせるカメラだ。

作例(1)

絞り優先 1/6秒 F3.5 ISO 800 レンズ「DA 18-55mm F3.5-5.6AL WR」
絞り優先 1/10秒 F5.6 ISO 800 レンズ「DA 18-55mm F3.5-5.6AL WR」
絞り優先 1/30秒 F2.8 ISO 280 レンズ「DA 40mm F2.8 Limited」
グリーンモード 1/100秒 F5.6 ISO 100 レンズ「DA 18-55mm F3.5-5.6AL WR」
絞り優先 1/500秒 F2.8 ISO 200 レンズ「DA 40mm F2.8 Limited」

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