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夏の水辺はコレで撮る――今夏の防水デジカメ徹底チェック(中編)(3/4 ページ)

» 2009年07月24日 12時20分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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使い勝手をざくっと比べてみる

 では実際に使って感じた個々の特徴を。

μTOUGH-6000

 このシリーズそのものが結構な歴史を持つだけあって、製品としてのバランスはよくとれていて、さらにインテリジェントフルオートの「iAUTO」モードがついたので細かい設定が面倒なときでもマクロから風景、人物まで幅広く対応してくれる。

カラーバリエーションはイエロー、ホワイト、ブルー、オレンジの4色。プロテクターっぽい感じで入る黒いフレームが全体を引き締めている。充分に薄くて扱いやすい

 また屈曲光学系ながら28ミリ相当からの広角系ズームを搭載しているのも立派。汎用性が高い、防水耐衝撃コンパクトデジカメの定番であり、基準となるデジカメといえよう。

上から見ると薄さが分かる。グローブをつけてても使えるようシャッターボタンが大きめで押しやすいのはいい(写真=左)。今回の5機種では唯一自動開閉式レンズカバーを内蔵している。まあ他の機種も前面に保護ガラスを持っているのではあるが、安心感があるというところか。ただし、海で使ったあとは可動部に砂が残らないようちゃんと洗うこと(写真=右)
背面。ボタンは結構多くてその上モードダイヤルもついている。モードダイヤルの再生モードと、その下にある再生ボタンで機能がかぶってるのがちょっと気になるところ(写真=左)。シーンモードは非常に豊富。さらにボディを軽くたたく(タップする)ことで操作できるなど、グローブをつけていてボタンを押しづらいときも最小限の操作は可能だ(写真=右)

DMC-FT1

シルバー、グリーン(それもネイチャー系のグリーンだ)、オレンジ(かなり鮮やか系)と派手目のカラーリングなFT1。LUMIX CLUBオリジナルカラーのブルーもある

 パナソニック初となる防水コンパクトデジカメ「DMC-FT1」は、耐衝撃性も備えての登場。レンズも28ミリからだし、ボディのデザインも凝ってるしでなかなかの力作だ。注目はハイビジョン(720p)で水中動画を撮れること。動画専用ボタンを持っており、モードを切り替えることなく、さっと動画を撮れる。試しにひとつ撮ってみた。

 元はAVCHD Liteでファイルサイズも大きいため、H.264で圧縮し直し、サイズも縮小した。だからディテールの描写力は落ちているが、水中でハイビジョン、という楽しさは分かるかと思う。

 機能面でもLUMIXの最新モデルを踏襲しているので、オート撮影や人物認識系も充実しているが、ひとつ気になったのは操作系。シャッターとズームレバーが上面に並んでいるため、シャッターボタンが少し手前にきて押しづらいことと、全体にボタンが固め。はじめての防水・耐衝撃コンパクトデジカメということで、やや安全性を重視した設計になっているのかもしれない。アウトドアで使うときはいいけど、街中で常用するとなると気になるかも。

上から。薄くて四角い使いやすそうなデザインだが、ズームレバーとシャッターボタンが同じ列に並んでいるため、シャッターボタンが少し手前にきており、若干押しにくいのは残念(写真=左)。背面もフロントパネルのカラーリングそのまま。独立した動画録画ボタンが特徴だ(写真=右)
モードダイヤルには、防水&耐衝撃をアピールすべく、スノーモードとビーチモードが用意されている。海辺ではビーチモード推奨(写真=左)。ビーチモード(など)にすると、最初に注意書きが表示される。家電メーカーらしい親切さ(写真=右)

PowerShot D10

このボディを見れば特徴は一目瞭然。沈胴式レンズのデジカメを防水・耐衝撃ケースに入れたという感じだが、この丸くて頑丈そうなところがよい。ブルーのパネルはほかの色(迷彩色など)に交換できる

 とにかく見た目が衝撃的なPowerShot D10。街中で普通に使うにはちょっとゴツくて、かさばって恥ずかしいかもしれないが、レジャーだとこれが似合う。むしろ、これを持っていけば、そこがレジャー地だといっていいくらい。

上から見ても丸い。上面には電源と大きなシャッターボタンで、ズームレバーは背面にある(写真=左)。ストラップ類は四隅の好きな位置に取り付け可能。そのときどきで使いやすい位置にセットする(写真=右)
後ろから見ても丸い。モードダイヤルはなく、液晶モニターの上にあるボタンで撮影モードを切り替える。背面のボタンはどれも大きめ。ズームレバーはちょっと押しにくいかも(写真=左)。撮影モードの切り替え中。シーンモードにすると「水中」や「ビーチ」などを選べる(写真=右)

 専用ケースもついてくるが、やはりケースには入れずストラップをつけて持ち歩きたい。ストラップは全部で4種類ついてくるので、そのときどきで使いやすい用途に合ったものを選ぶのが楽しいかも。トレッキングや山歩きなら腰にカラビナでぶら下げてさっと使いたいし、動きの激しいシーンなら長さを変えられるストラップでたすきがけにしておくとよさそう。

 身体につけた状態から撮影状態に移行するとき、どこにストラップをつけると邪魔にならないかを予行練習しておきたい。

ストラップの脱着は簡単。差し込んで90度回すとロックされる。外すときはボタンを押しながら90度回す。ロックしてしまうとまずはずれないので安心して出かける場所やイベントに応じて好きな場所に好きなストラップをつけるべし

 カメラとしては10メートル防水や耐衝撃性といった特徴以外は、既存のPowerShot系製品とほぼ変わらない。ここまでやってレンズが広角系ズームではないのは残念だが、見た目とコンセプトと中味が見事に一致した素晴らしい製品だと思う。やはりこれだけ凝ってくれると使ってて楽しい。もっとも、レジャー以外で使うにはちょっと勇気がいるかもしれないけど。

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