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精細描画とマニュアル操作に注目、Everio「GZ-HM400」秋のフルHDビデオカメラ4番勝負(3)(2/2 ページ)

» 2009年10月01日 15時40分 公開
[都築航一,ITmedia]
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 マニュアル調整ダイヤルの位置としてすっかり定番になったレンズ鏡筒下部には、やはりフォーカスとカメラの明るさをマニュアル操作するためのレバーとダイヤルが置かれ、こちらにもすぐ慣れることができた。

 しかも、これらのダイヤルやボタンは、カメラ全体をオートモードからマニュアルモードへと切り替えなければ有効にならないので、誤った操作でピンボケ映像を大量に撮ってしまうといったミスを起こさない。もちろん、オートモードでカメラ任せにしても多くのシーンで問題なく撮れるし、人物の顔にフォーカスと明るさを合わせる顔検出機能も、同社では今春モデルから標準装備になっている。

 このクラスでは久々に見るシーソー式ズームレバーのおかげで、微妙なズーム操作にも応えてくれるのはもちろん、マニュアル調整のしやすさ全体でも、今回同時に比較したソニー「HDR-CX500V」、キヤノン「HF S11」、パナソニック「HDC-TM350」の中では頭ひとつ抜けているという印象だ。

 ちなみに同社のWebサイトを訪れてみると、こんなにマニュアル操作が楽しいビデオカメラを、撮影を楽しむ上級ユーザーではなく、むしろ初めてビデオカメラを手にするパパママ層へ訴求しているのが面白い。

 実際、シーソー式のズームレバーは上級者に限らず、だれにでも扱いやすいことは間違いないし、オートモードで撮影に慣れて楽しくなってきたら、カメラを買い替えなくても、使いこなしだけをマニュアル操作へとグレードアップできる楽しみもありますよ、ということだろう。

10倍速ハイスピード撮影など付加機能も充実

 付加的な機能としては、GZ-X900と同様、最大で1/10倍速という超スローモーション映像が撮影できるハイスピード撮影も魅力的で、肉眼では見られない世界を楽しめる。もうひとつ特筆すべきポイントとして、製品に最初から中容量タイプのバッテリーを同梱していることにも触れておきたい。オプションではさらに大容量のタイプや外付けの製品も用意されているが、付属バッテリーだけで2時間以上の連続撮影を実現しているのは本製品だけだ。

 手ブレ補正の効き具合や暗部画質など、ライバルに水をあけられている部分も確かに存在するし、ここでは細かな部分で注文をつけてしまったが、細かな注文をつけたくなるほど、素性としての画質と使い勝手は高く評価できる。作画を楽しみたい上級ユーザーだけでなく、初めてのビデオカメラとして買っても、長く楽しめる1台だろう。本製品を受けてのシリーズ展開も楽しみだ。

作例

 作例は、静止画はアスペクト比4:3の約896万画素(3456×2592ピクセル)、動画については最高画質のMXPモード(1920×1080ピクセル/約24Mbps)で撮影したものをEDIUS Pro 5で切り出している。撮影時の設定カスタマイズは行っておらず、フルオート撮影だ。

photo 静止画(3456×2592ピクセル)。降ったりやんだりという天候。顔の辺りは光量が足りないためにノイズが盛大に乗っているが、背景の明るさに助けられ、全体としてはきちんと描写できている。
photo 静止画(3456×2592ピクセル)。風のそよぐ中で小さな滝というブレやすいシチュエーションだが、小サイズでのプリントに利用するなら十分に精細な絵がとれた
photo 動画(1920×1080ピクセル/約24Mbps)。若干シャープネスが強めに出ている気もするが、色乗りもよく素晴らしい描写。のっぺりと表現されがちな車体の微妙なくぼみや塗装のくすみまでも表現されている
photo 動画(1920×1080ピクセル/約24Mbps)。フルオートではやや青みのある描写になった。ホワイトバランスは室内など難しい条件ではすぐには合わないこともあるが、カスタムボタンにWBを割り当てれば簡単に設定できる上、マニュアル調整すると的確につかんでくれる。ちょっとした手間で十分カバーできる範囲だといえる。
photo 動画(1920×1080ピクセル/約24Mbps)。24Mbps記録の恩恵か、情報量の多い場面だが細部まで精細に描かれている。色乗りもよい
photo 「AGCモード」での撮影。色が浅くうえに暗部ノイズが多く、少々残念。本製品は増感を「AGC」「オート」から選択できるが、オートにするとスローシャッターの併用となるためAGCよりも明るくなる

モデル:駒谷仁美(こまたに ひとみ)

1988年12月16日生まれ。 サンミュージックブレーン所属

本人の公式ブログ「ひよこのひいちゃん」公開中。


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