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パンケーキが似合う薄型マイクロフォーサーズ――パナソニック「DMC-GF1」レビュー(2/4 ページ)

» 2009年10月15日 11時01分 公開
[永山昌克,ITmedia]
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3型液晶によるライブビュー撮影

 操作感を見てみよう。ボディ上部の電源スイッチを入れると、素早く液晶モニターが点灯し、撮影可能状態になる。液晶は3.0型/約46万画素のTFTで、屋外でもまずまずの視認性と視野角がある。周囲の明るさに応じて液晶輝度を自動調整することも可能だ。

photo 十字配列の左ボタンで、AFモードやAFエリアの選択メニューを表示できる。また、十字ボタン操作で、AFエリアをダイレクト移動できるようにカスタマイズすることも可能だ

 AFは、これまでのマイクロフォーサーズ機と同じくコントラスト検出方式で作動する。一眼レフの位相差検出方式とは違い、主にコンパクトデジカメに採用されている方式だが、DMC-GF1の測距スピードは一般的なコンパクトデジカメよりも高速で、大きなストレスは感じない。AFエリアは23点の自動選択のほか、手動で好きな位置に動かしたり、AFエリアの枠の大きさを4段階から選ぶことができる。最大15人の顔認識AFや追尾AF、マニュアルフォーカスにも対応する。

 ちなみに、本体と同時に新発売された単焦点パンケーキレンズは、薄型軽量設計を優先しているため、AFが作動する際にジジーという小さな駆動音が鳴る。うるさいほどではないが、ほぼ無音でAFが作動するこれまでの同社製マイクロフォーサーズレンズとは異なる。このパンケーキレンズは動画撮影にはあまり向いていない。

 シャッターボタンの位置と感触は特に問題なく、撮影レスポンスも軽快といえる。連写は3コマ/秒に対応。連写速度は標準的だが、これまでのマイクロフォーサーズ機と同じく、連写中は撮影画像がワンテンポ遅れて液晶表示されるため、スポーツなどの動きの速いシーンを撮るのは得意ではない。ボディ上部にドライブモードの専用レバーがあり、単写/連写/オートブラケット/セルフタイマーを素早く選べるのは便利だ。

photophoto ミラーレス構造のため、レンズ交換時は撮像ユニットが見える。超音波振動によるノンダストシステムがあり、センサーゴミの不安はあまりない(写真=左)、オリンパス「E-P1」とは異なり、ポップアップ式のストロボを内蔵する。ただし、手ブレ補正機構は内蔵せず、レンズ側での対応となる(写真=右)

7つの色彩効果を楽しむマイカラーモード

 撮影モードは、7シーンの自動判別が働く「おまかせiA」モードのほか、16種類のシーンモードや、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター優先AE、マニュアル、動画などを完備する。絞りやシャッター速度は、背面右上の電子ダイヤルを回すことでダイレクトに調整できる。ダイヤルを押し込むことで、マニュアル露出モード時に、絞り調整とシャッター速度調整の切り替えができるようになっている。

 感度やホワイトバランス、AFモードについては、専用ボタンによって設定画面をスムーズに呼び出せる。また、クイックメニューボタンを押した場合は、記録画素数や記録形式、フィルムモード、測光などの主要設定が液晶画面の端にアイコン表示され、十字キー操作によって各項目を素早く変更できる。

photophoto 上部にモードダイヤルやドライブモードレバーを装備。シャッターボタンの横にある赤いボタンは、動画専用の撮影ボタンだ(写真=左)、十字キーの下ボタン(Fnボタン)には、フィルムモードや画像縦横比、暗部補正、ガイドライン表示などの機能の1つを割り当てられる(写真=右)

 ボディの薄型化にともなってボタンやダイヤルの数は減ったものの、基本的な操作インタフェースはDMC-G1/DMC-GH1を踏襲し、多彩な設定を分かりやすくまとめている。任意の機能を割り当てられるFnボタンや、カメラの状態を記憶するカスタムモードに対応することもありがたい。

 従来から進化した機能としては、マイカラーモードに注目したい。これまでのマイカラーモードは、ホワイトバランスを「光の色」、露出補正を「明るさ」といったように専門用語をやさしい言葉に置き換え、設定項目を簡素化したビギナー向け撮影モードの1種だった。いっぽうDMC-GF1のマイカラーモードは、これらに加えて、露出や発色を極端に崩した特殊効果を選べるように生まれ変わった。

 効果の種類は、彩度をこってりと強調する「ポップ」、色褪せたイメージの「レトロ」、明るく青っぽい色になる「ピュア」、暗いアンバー色になる「シック」、セピアトーンの「モノクローム」、イラストのような表現になる「ダイナミックアート」、明暗を過度に強調する「シルエット」の7種類。いずれも、効果が加わったライブビュー映像を見ながら撮影でき、静止画だけでなく動画でも利用できる。

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photophoto 左上から順に、通常撮影、マイカラーモードの「ポップ」、「レトロ」、「ピュア」、「シック」、「モノクローム」、「ダイナミックアート」、「シルエット」でそれぞれ撮影

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