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デザイン踏襲、中身は大きく進化――ソニー「α550」レビュー(1/5 ページ)

» 2009年11月10日 08時00分 公開
[小山安博,ITmedia]

快適なライブビューがさらに進化

 ソニーのデジタル一眼レフカメラ「α550」(DSLR-A550)は、既存機種「α380」の上位に位置し、買い換え層を狙うモデル。ボディデザインは既存モデルに近いが、各所にブラッシュアップが施されている。背面には上下に動く可動式液晶を備え、大きさも厚みもそれなりにある。がっしりとしたボディながら、グリップがしっかりしているので持ちやすく、構えやすい。

photo 「α550」
photo 全体的なシルエットは「α380」などに近い。ただ、グリップがより大きくなった。また、内蔵の手ブレ補正機能はシャッタースピード換算で最大3.5段分から同4段分に向上している

 可動式液晶に加え、ソニーのαシリーズといえば強力なライブビュー機能が特徴。一般的なデジタル一眼レフは、ライブビュー時にミラーを上げて撮像素子に直接光を導くため、位相差AF用センサーに光が届かず、高速なAFが使えないのが難点。だが、αシリーズでは、可動式ペンタミラーで光路を切り替える方式を採用しており、ライブビュー時も高速な位相差AFが利用できる。

 α550でもこの「クイックAFライブビュー」が利用できる。液晶が上下に稼働するため、頭の上から撮影したり、かがんで低い位置から撮影したり、さまざまな姿勢で撮影しやすく、位相差AFなので動きのある被写体にも対応しやすい。上下にしか稼働しないため、縦位置撮影ではあまり効果がないが、それでも現時点で最も実用的なライブビューといってもいい。

photophoto 液晶モニタの可動範囲も広く、横位置で撮影する場合には快適に使える

 欠点としては、ライブビュー用撮像素子のサイズの問題で視野率が90%になってしまう点。ライブビューで見ているエリアよりもちょっと広い範囲が写ってしまうので注意が必要。このあたりはファインダーを使った場合も同じなので、慣れである程度カバーできるだろう。

 ライブビュー機能には、いよいよ顔検出機能も搭載された。顔検出機能利用時もAFはコンパクトデジカメで多く採用されるコントラストAFではなく位相差AFなので、AFポイントのある9点でしかAFは合わないが、人の顔がAFポイントに重なると、そのポイントにAFを合わせてくれる。もちろん、AFだけでなく露出やホワイトバランスなども最適になるように設定される。さらに、笑顔を検出して自動でシャッターを切るスマイルシャッターも搭載した。コンパクトデジカメに比べて高速にシャッターが切れる一眼レフなので、笑顔をきちんと納められる可能性も高い。

photophoto 顔検出されたところ。オレンジ色の枠は、AFポイントと一致しているのでピント合わせが行える(写真=左)、白枠の場合はAFポイントから外れているため、「顔は検出されているがピント合わせができない」状態(写真=右)
photophoto オレンジ枠の状態でAFを行うと顔の位置にピント合わせが行われる(写真=左)、スマイルシャッターの設定。スマイルは3段階から選択できる(写真=右)

 ライブビュー機能が充実しているだけに、重要なのがファインダーともなる液晶モニタ。α550では3型/約92.1万画素の“エクストラファイン液晶”を採用しており、屋外でも見やすく、視認性が高い。S

photo 本体背面。解像度が高く、視認性の高い液晶モニタを採用
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