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フルHD対応の小さな10倍ズーム機――ソニー「Cyber-shot DSC-HX5V」開発者に聞く永山昌克インタビュー連載 (3/3 ページ)

» 2010年04月12日 11時00分 公開
[永山昌克,ITmedia]
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近接無線技術によるデータ転送

――新しい試みではTransferJetへの対応がありますが、その狙いは?

伊藤氏: TansferJet自体は、近接無線技術の規格としてソニー以外も含めて、コンソーシアムという形で共同開発しているものです。今回、デジタルカメラとしてDSC-HX5VとDSC-TX7の2機種が初めて、TransferJet搭載のメモリースティックに対応しました。高速で簡単に情報をシェアできることがTransferJetの特徴ですので、それにふさわしいのはデジタルカメラだと考えました。

――カメラのボディではなく、メモリースティックにTransferJetを搭載した理由は?

;伊藤氏: 本体のサイズと価格をキープするために、内蔵ではなく、メモリースティック側に搭載しました。使い方としては、TransferJet搭載のメモリースティックを入れたカメラ同士、あるいはTransferJet対応のVAIOや、TransferJetのクレードルを装着したPC、テレビなどに向けて撮影データを無線転送することができます。サイバーショット同士での転送なら1枚にかかる時間は約1秒です。

photo TransferJetは、高速で、安全に、簡単に転送できることがメリットです(伊藤氏)

――これまでのほかの無線技術との違いは?

伊藤氏: 遠距離ではなく、近距離でしか届かない無線にしていることで、セキュリティ面の安心感が大きいといえます。高速で、安全に、簡単に転送できる規格なのです。例えば友人と遊びに行った際、後から写真を送るといいながら結局は送らないというケースはよくありますが、TransferJetならその場ですぐにシェアできます。

――そのほかにも機能を満載していますね。

伊藤氏: はい。従来機で好評をいただいた「スイングパノラマ」は、顔と動きの検出に対応し、より自然なつなぎ合わせが可能になりました。また、2カットを自動合成してダイナミックレンジを広げる「逆光補正HDR」や、連写と合成によってブレを抑える「手持ち夜景モード」、「人物ブレ軽減モード」なども便利な機能です。DSC-HX5Vは、こうしたあらゆる機能が、この小さなボディに凝縮されたカメラです。このサイズで、これほど美しい動画が撮影できるカメラはほかにない、と自信を持ってアピールできる製品に仕上がりました。

蒲原氏: 操作性にも妥協せず作り込みました。例えば、一般的にカメラを小さくするとモードダイヤルを省く傾向がありますが、分かりやすさと見やすさを重視してダイヤルを採用したこと。また、ダイヤルやボタンのサイズやクリック感にも徹底してこだわりました。

photo 多機能ながらシンプルにまとまった操作部

 もし、すでにハンディカムを持っている人であれば、気合いを入れて大きなイベントを撮る際には、これまで通りハンディカムをお使いいただき、その一方で、日常のひとコマを気軽に撮れるカメラとしてDSC-HX5Vが役立つはずです。また、ハンディカムを持っていない人なら、このDSC-HX5Vの1台に必要なものがすべて入っています。

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