ITmedia NEWS >

最大2Tバイトの新世代SDメモリーカード「SDXC」、使う前に知っておきたいコトブレイクは2年後?(2/2 ページ)

» 2010年04月13日 09時00分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
前のページへ 1|2       

SDXCのブレイクは「2年後」

photo SDXCメモリーカードに対応した「EOS Kiss X4」

 前述したよう対応製品とカードが登場し、パソコン側もWindows OSに限られるがサポートが開始されている。SDからSDHCへのシフトを見ても分かるよう、大容量メディアへの要望は常にあり、環境が整いつつある2010年はSDXCのスタート元年といえそう。ただ、本格普及は「もうしばらく先、2年後ぐらいではないか」(サンディスク)という雰囲気だ。

 その理由は環境変化のスピードにあると考えられる。SDXCのような規格が存在する製品の場合、環境変化は対応製品が潤沢にそろい、需要が喚起され、かつ、製品価格がこなれてから本格的に起こる。SDXCについては製品が登場し始めており、ハイビジョン動画、とくにデジタルカメラでのハイビジョン撮影については対応製品が一般化し、盛り上がりを見せている。つまり、製品と需要については条件を満たしつつあるといえる。残るは価格だ。

 この価格についてデジタルカメラを例に考えてみよう。

 デジタルカメラにとってメモリーカードは周辺機器であり、周辺機器である以上、1万円を超えると目的が明確な人しか購入しない傾向が強く、例え販売が開始されても環境変化を引き起こすほどの数量は動かない。そして、カメラとメモリーカードを同時購入する際にメモリーカードは、カメラ価格の10%程度で購入できる価格帯の製品が多く選ばれるという。つまり、SDXCのブレイク時期は「1万円以下の製品が多く市場へ流通し始める時期」と推測できる。

 ちなみにサンディスクの64GバイトSDXCメモリーカードの実売想定価格は5万円前後。正直、手軽に買える価格ではないが、フラッシュメモリの低価格化が急速なスピードで進むことを考えると、“2年後”には16Gバイトや32Gバイトの大容量SDXCメモリーカードが、現在の2Gバイト/4GバイトSDHCメモリーカードのような「数千円で手軽に買えるカード」としてのポジションに位置していてもおかしくない。その時こそ、RAWだろうがハイビジョン動画だろうが、容量を気にせずにストレスフリーの撮影ができる時代の到来といえるだろう。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.