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» 2010年04月19日 16時00分 UPDATE

デジカメ動画活用塾:動画デジカメを選ぶ3+αのチェックポイント

もはや「動画が撮れるデジカメ」は珍しくないが、ビデオカメラほど成熟したジャンルではないため、細部は製品ごとに異なることが多い。製品選びの際に気をつけた方がいいポイントを確認しよう。

[ITmedia]

 「動画が撮れるデジカメ」はコンパクト/一眼を問わず、もはや珍しいものではなくなった。最近では背面に動画撮影ボタンを設けた製品も多く、「普段は静止画、ときどき動画」の使い分けをすることも簡単だ。利用頻度が高くないとしても、動画機能もあった方がいいと考えるのは自然なことといえるが、製品を選ぶ際は、注意しておきたい点がいくつかある。

チェックポイント1――「ハイビジョン」の再確認

photo キヤノンのエントリーデジタル一眼レフ「EOS Kiss X4」の背面にも動画ボタンが用意されている

 製品の店頭ポップなどを見ると「ハイビジョン動画撮影可能」の文字が躍る製品は多いが、その詳細は異なる。というのも、「SD解像度ではない」という意味で記載されていることが多いからだ。SD解像度の定義も明確なものはないが、一般的にはテレビ放送の映像規格に準じた720×480ピクセルの映像(480i)を指すことが多い。

 ただ、パソコンの世界と親和性の深いデジタルカメラにおいてはパソコンの世界で長く標準的なディスプレイ解像度と言われていた640×480ピクセル以上のサイズをSD解像度と表現することもあり、それ以上の画像サイズをもつ映像を「ハイビジョン」と呼ぶこともある。かなり乱暴な言い方になるが、デジカメにおけるハイビジョンとは、640×480ピクセルないし720×480ピクセルより大きなサイズの映像と理解しておけばいい。

 最新のデジタルカメラ「EOS Kiss X4」を例にしてもう少し詳細を見てみよう。EOS Kiss X4では、スペックシートに動画記録サイズとして「1920×1080(Full HD)」「1280×720(HD)」「640×480(SD)」が挙げられている(もう1つある「クロップ」についてはレビュー:成熟したエントリー向けデジタル一眼――キヤノン「EOS Kiss X4」 などを参照のこと)。

 「1920×1080」と「1280×720」がいわゆる「ハイビジョン映像」だが、映像を家庭のテレビで楽しもうと考えるならば、1920×1080ピクセルでの記録が可能な製品かどうかは要チェックのポイントだ。最近では32V型以上の薄型テレビのほとんどが1920×1080ピクセル対応のフルハイビジョンテレビであり、撮影した映像をテレビで高精細かつ迫力一杯に楽しみたいならば、1920×1080ピクセルで撮影するべきだ。

 ただ、フルハイビジョンで記録すると、ファイルサイズは必然的に大きくなる。映像の用途が動画共有サイトへのアップであったり、パソコンを中心とした取り回しの良さを重視するならば、それ以下(1280×720ピクセルなど)までの製品でも事足りるかもしれない。また、撮影の目的が映像メモ的であったりするならば、こちらもフルハイビジョンにこだわる必要は薄いかもしれない。

チェックポイント2――「AVCHD」は必要か

 家庭用のデジタルビデオカメラについてはほぼ「AVCHD」で記録方式は統一されたが、デジタルカメラについてはまだ、統一と呼べる規格や形式は存在していない。製品のスペックシートを見ても、キヤノン「EOS Kiss X4」では「MPEG-4 AVC/H.264」、パナソニックのLUMIX「DMC-GF1」では「AVCHD Lite/Motion JPEG」、ソニーのサイバーショット「DSC-HX5V」では「MP4(MPEG-4 Visual)」「AVCHD(MPEG-4 AVC H.264)」などいろいろな書き方がされている。

photo ソニーのサイバーショット「DSC-HX5V」の動画設定画面。AV機器との親和性が高い「AVCHD」と、パソコンでの編集が容易な「MP4」と2種類の保存形式が選択できる

 それぞれの詳細について解説すると話が長くなるので割愛するが、保存形式に「AVCHD」もしくは「AVCHD Lite」の文字があるかだけはチェックしておこう。AVCHDはビデオカメラ向けとして策定された規格なので、「テレビで見る」「HDDレコーダーなどへ転送して編集する」などAV家電と組み合わせた用途とは相性がいい。

 ただ、AVCHDは映像の圧縮率が高いといった理由のため、パソコンでの編集時にかなり高い負荷をかける。AVCHD Liteは記録できる画像サイズを720p(1280×720ピクセル)までとすることで取り回しのよさを狙っており、「家電との親和性は欲しいが、パソコンでの編集も視野に入れたい」という人にはいいだろう。パソコンでの編集を前提にする、あるいは家電との親和性は特に求めないならばAVCHDにこだわることはない。

チェックポイント3――ズームとAFに注意

photo キヤノン「PowerShot SX210IS」。光学14倍ズームレンズを搭載し、動画撮影中のズーム動作も行える

 意外に見落としがちなのは、動画撮影中に光学ズームが可能かどうか。光学ズームの有無自体は「光学○ズームレンズ搭載」など大きくうたわれるが、それは動画撮影中にズーム動作ができることとイコールにならない。現行製品では多くが動画撮影中でもズーム動作が問題なく行えるが、旧製品を中古で買うなどの場合には注意しておいた方がいい。

 AF(オートフォーカス)についてはコンパクトデジカメならばほぼ動画撮影中でも有効だが、デジタル一眼の場合には注意が必要だ。本連載の第2回(デジカメ動画活用塾:第2回 デジイチ動画のキモ、オートフォーカスを知る)でも触れたが、デジタル一眼はレンズ交換で多彩な映像表現が可能な一方、動画撮影については不利な部分もある。それはAFスピードだ。

 パナソニック「DMC-GH1」やオリンパス「E-P1」などコンパクトデジタルカメラに迫る快適なAFを実現したデジタル一眼も登場しているが、キヤノン「EOS 7D」のようにフルハイビジョン動画を撮影可能ながらフルタイムAFは非対応という機種もある。これは優劣ではなく、前者は快適かつ手軽な動画撮影を目指し、後者は作品制作を主眼とした動画撮影を目指したという製品の方向性の違いだ。いずれにしても店頭で手にし、自分の使い方に沿うかを確認してほしい。

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