キヤノンの「PowerShot SX210 IS」は最近流行の兆しを見せている高倍率ズームコンパクトデジカメ。14倍ズームレンズ(焦点距離は35ミリ換算28〜392ミリ)を搭載しながら、厚さは31.9ミリに抑えられており、気軽に携帯できる。
存在感のあるレンズ部など、全体的なイメージは12倍ズームレンズを搭載した前モデル「PowerShot SX200 IS」(HD動画も撮影可能 28ミリからの12倍ズームコンパクト「PowerShot SX200 IS」)を踏襲しながら、四隅を丸めたデザインに変更されており、なにより、ズーム倍率をアップさせながらも厚みが抑えられているのがうれしい。PowerShot SX200 ISは厚さ37.6ミリなので、5ミリほどの変化ではあるが、手にしたときの感覚はかなり違う。
携帯に困らない厚みで14倍ズームレンズというのはちょっとすごい。4倍のデジタルズームを併用することで、最大56倍までの望遠が行える(4320×2432ピクセルの「ワイド」選択時にデジタルズームは利用できない)。開放F値はF3.1〜5.9。まずはそのズーム倍率の威力をみてもらおう。
さすがにデジタルズーム併用時には画質の劣化が確認できるが、ここまで遠くのものを引き寄せることができると、ちょっとした驚きを覚える。56倍ズームは動画撮影時にも有効だ。ただ、デジタルズームまで使うとちょっとした手ブレが大きな影響を及ぼす。可能な限り三脚などでカメラを固定する努力をするべきだ。
操作系は「PowerShot S90」(レビュー:“ワンランク上”のハイエンド機――キヤノン「PowerShot S90」)などとほぼ同様、同社製品ではおなじみモードダイヤル&コントローラーホイールがメインとなる。録画/再生/ディスプレイ切り替え/メニューの各ボタンはそれぞれ独立しており、押しやすい。モードダイヤルとコントローラーホイールには、カチカチっという適度なクリック感があって操作しやすい。
PowerShot S90ではコントローラーホイールにクリック感がないことが不評点として上げられていたが、これが解消されているのは歓迎したいポイントだ。なお、コントローラーホイールに印刷はされていないが、静止画撮影時にはホイール上で露出補正、下でセルフタイマー、右でストロボ、左でマクロのそれぞれ操作が行える。
PowerShotシリーズの製品ではあるが、操作系はシンプルにまとめられており「PowerShot S」や「PowerShot G」のように瞬時に撮影設定を変更したいという人には不向きかもしれない。ただ、コントローラーホイール中央の「FUNC/SET」ボタンを押すことで記録画素数やホワイトバランス、ISO感度などを設定できるので、一般的な利用で困ることは少ないと思われる。
背面液晶は3型ワイド(約23万画素)の「クリアライブ液晶G」で、画像サイズ「ワイド」(4320×2432ピクセル)でも上下左右を余すことなく表示できる。なお、「スモール」(4:3、640×480ピクセル)などの場合には左右に黒帯が入る。
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