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ミラーレスα、ソニー「NEX」を丸裸にする(後編)(4/4 ページ)

» 2010年05月25日 10時22分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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さて、この魅力的なNEX-3やNEX-5、買いか否か

 そろそろ結論の時間である。

 NEX-3やNEX-5はデジタル一眼のクオリティやレンズ交換可能という自由度と、コンパクトデジカメのカジュアルさ、とっつきやすさを融合させた新ジャンルの製品だ。だがひとつだけ知っておくべきは、いわゆるデジタル一眼ほどのカスタマイズ性はなく、操作系も速さよりわかりやすさ優先になっていること。

 だからオートで使う分には問題ないが、ホワイトバランスやISO感度をマメにいじる人にはつらい。毎回メニューを呼び出さないとISO感度のセットもできないのだ。

 せめて最低限のキーカスタマイズくらいしたかった。十字キーの右は多くのサイバーショットシリーズと同じく内蔵フラッシュの設定変更に割り当てられているのだが、そもそもNEX-3/5ははフラッシュが内蔵されてないから。同梱の外付けフラッシュを装着してない限り、何の意味もないのだ。ここと「撮影アドバイス」に使われる一番下のキーを好きな機能に割り当てられるだけでずいぶん印象が変わったろう。

photo 十字キーの右を押すとこんなメッセージが表示されるだけ。だったら他の機能に割り当てたいではないか

 HD動画についても、NEX-5は現在のところ最もコンパクトで高画質なフルHD動画を撮れるカメラであるが、前述のように分かりやすさ優先のため、本格的な撮影や作品づくりに使うには融通が効かない。

 わたしの結論はこうだ。

 ハードウエア的にはとても魅力的。特にNEX-5はおそろしく物欲をそそる。性能的にも価格的にも「買え」と脳内で誰かがささやく。

 もし自分がおまかせオートメインで気軽にカジュアルに、それでいて高画質なスナップやHD動画を撮れたらシアワセ、というのなら、脳内のささやきに従って問題ないだろう。この小さなボディであのクオリティをいつでも味わえるのは素晴らしい。液晶モニタを常に上に向けて、ウエストレベルでスナップを撮るカメラと考えても楽しい。

 でも、自分であれこれセッティングしてイメージ通りの絵を撮りたい人はこの操作系にイライラしかねない。それを承知で買うのなら何の問題もあるまい。新マウントを用意したからには、今後、そういうマニュアル系ユーザー向き操作系を合わせ持つモデルも出ると思うから(むしろ、出さないともったいない)、そのときに買い換え(あるいは買い足し)ちゃうという手もある。NEXはまだはじまったばかりだ。

 それにしても、面白くも悩ましいカメラを出してくれたもんだと思う。

Sony Style(ソニースタイル) Sony Style(ソニースタイル)
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