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空気感まで写せるコンパクトなカメラ――シグマ「DP1x/DP2s」開発者に聞く永山昌克インタビュー連載 (3/3 ページ)

» 2010年05月31日 09時20分 公開
[永山昌克,ITmedia]
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――その次が、今年3月に発売した「DP2s」です。こちらはDP2の後継となりますが、主な改良点は何でしょうか?

桑山氏: 背面ボタンの表示の改良、AFスピードの高速化、省電力機能パワーセーブモードの搭載の3点です。このうち、AFの高速化は、DP2のファームアップで実現していますので、ハード的な改良はパワーセーブモードと背面ボタンの表示です。撮影系の機能は白い文字で、再生系の機能を赤い文字でそれぞれ記すことで、はっきりと見分けが付くようにしました。画質についてはDP2と同じです。

photo DP2sでは、背面ボタンの各機能の表示を分かりやすく改良した

――さらにDP1sの後継機「DP1x」が、DP2sと同時に発表されました。DP1のラインに初めて画像処理エンジン「TRUE II」が搭載されるということですが、DP1xの発売はいつ頃になりますか?

桑山氏: 現在開発中のDP1xについては、発売予定日はまだ決まっていません。DP1xは、DP2sのボディに、DP1/DP1sで採用した28ミリ相当レンズを搭載したモデルです。といっても、単純にレンズを入れ替えただけではありません。現在、開発中のデジタル一眼レフ「SD15」で採用しているAFE(Analog Front End)をDP1xにも採用します。

 このAFEを採用することで、高感度画質の向上を図っているのです。

臨場感を味わえるFOVEON X3の画質

――初代機から最新機まで、撮像センサーにはずっと「FOVEON X3」を採用しています。FOVEON X3による画質の魅力とはどんなものでしょうか?

桑山氏: ユーザーからの声としては「DPで撮った写真には空気感や立体感がある」、「まるでその場にいるような感覚を味わえる」と言われることがあります。あるユーザーの方の話では、東京で撮影している時には、こんなものかなと思っていたらしいのですが、沖縄で使ったらDPのイメージがガラリと変わった、沖縄らしい色が撮影できたと言うのです。特に、沖縄や海外の空気が乾燥した場所での相性がいいようです。もしかしたら、空気がきれいな場所では、そのきれいな感じが再現され、逆に空気があまりきれいでない場所では、そのあまりきれいでない感じがリアルに再現されるのかもしれませんね。

――DPシリーズを購入するユーザーの傾向は?

桑山氏: 写真を楽しもうとする人や、作品を作りたいという人が一眼レフと同じ大きさの大型センサーに引かれて購入するケースは多いようです。カメラとしてクセがありますが、きちんとした絵が出る所が認められているのだと思います。また、女性にも人気があります。万人向けではなく、誰にでも気軽にお勧めできるカメラではありませんが、「写真を撮るのが楽しくなる」と評判で、徐々に一般の人が購入される率が増えているようです。

――今後、DPシリーズはどのように進化するのでしょうか?

桑山氏: 今春にDP2sを発売することができ、さらに、今後SD15やDP1xがラインアップされると、プラットフォームの統一が図れますので、それ以降のシリーズ展開もいっそうやりやすくなると思います。今後とも、お客様からの要望を伺いながら、進化を続けていきたいですね。

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