GfK Japan調べによる、コンパクトデジカメ販売ランキングをまとめた。集計時期が5月17日〜23日と、春モデルのほぼ市場に出そろった5月中旬となったためか順位の変動は少なく、トップ10入りしている機種の顔ぶれは前回から変わっていない。
例年のパターンからすれば、こうした販売ランキングに登場する、ある意味、万人向けのキャラクターを持ったコンパクトデジカメは春先に多くの製品が各社より発表される。そうした意味では時季外れなのだが、次週以降のランキングに登場が期待される新製品がある。キヤノンの「IXY 30S」(→レビュー:IXY初のF2.0レンズ&裏面CMOSセンサー搭載、「IXY 30S」を楽しむ)だ。
IXYといえば言わずとしれたコンパクトデジカメの一大ブランドで、今回のランキングにも「IXY 10S」「IXY DIGITAL 930I S」「IXY 200F」の3台がランキングしている。デジタルカメラとしてのIXYは登場して10年が経過しており、同社製品の中ではごく一般的な利用者に向けた、使いやすいカメラとしてのイメージが定着している。
5月末より販売が開始されたIXY 30Sは裏面照射型CMOSセンサーおよびF2.0からの明るいレンズを搭載した製品で、そのデザインもいい意味で“IXYらしくない”新鮮さを持っている。カメラに詳しい人なら撮像素子や明るいレンズに興味をひかれるところだが、詳しくないひとへも上手なアピールがなわれている。
販売開始にあわせてテレビや鉄道などでの広告も開始されているのだが、そこで面白いなあと感じたのが、列車内の広告という、さまざまな人が目にする広告で「F2.0」という文字を大きく使った展開が行われていることだ。カメラの知識がある程度ある人ならばF2.0という文字から製品イメージを膨らませることができるが、F2.0がなんのことだか分からない人も少なくないはずであるのに。
IXYというブランド名はユーザー層を問わずに広く浸透しているので、「ついにIXYは、F2.0へ」というキャッチフレーズを読んで、あまりカメラに詳しくない人が「IXYは知ってる。けどF2.0って?なんだろう?」と関心を持ってもらえればうれしい――そうした意図なのだろう。
ちなみにカタログやWebサイトなどには「高感度IXY」という文字がメインキャッチフレーズとして踊っている。これはカメラ的な感度(高感度センサーに明るいレンズ、それを組み合わせた「HS SYSTEM」)だけを指すのではなく、あまり類を見ない5色展開や外装デザインが利用者のセンス(感度)へ触れるだけ高められたモノであるという自負もあるのだろう。
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