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「GXRデビュー」したくなる、レンズユニット「P10」(1/3 ページ)

» 2010年06月07日 11時48分 公開
[ITmedia]
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 リコー「GXR」はボディ内に撮像素子を持たず、「レンズ/撮像素子/画像処理エンジン」が一体化したユニットを交換するユニークな構造を持つデジタルカメラだ。

 発表時にはカメラユニットとして、50ミリ単焦点レンズにAPS-Cサイズセンサーを搭載した「GR LENS A12 50mm F2.5 MACRO」(以下 A12)、光学3倍ズームレンズと有効1000万画素CCDを搭載した「RICOH LENS S10 24-72mm F2.5-4.4 VC」(以下 S10)の2つが用意されたが、新たに10.7倍ズームレンズと裏面照射型CMOSセンサーを搭載した「RICOH LENS P10 28-300mm F3.5-5.6 VC」(以下 P10)が登場した。

photo レンズユニット「P10」を装着したGXR

 明るい単焦点レンズのA12、汎用性の高い標準ズームレンズのS10、裏面照射型CMOSセンサーと高倍率ズームのP10と3つのレンズユニットがそろい、ユニット交換によって同社製品「GR DIGITAL」「GX」「CX」を連想させるカメラへ変身させることが可能となった。そしてP10の発売とあわせて、より安価なボディとP10のセットも用意された。

 GXRはこれまでキットが用意されておらず、ボディはボディ、レンズユニットはレンズユニットと別に購入するしかなく、安価な組み合わせを選んでも6万円以上と、デジタル一眼レフに比べても割高感があったことは否めなかった(Amazon.co.jpでの実売価格はボディが約3万800円、A12が6万1923円、S10が3万2585円 ※2010年6月1日現在)。

 しかし、P10と同時に用意されるP10セットは4万5268円(Amazon.co.jpでの実売価格 ※2010年6月1日現在)と、「高級コンパクトデジカメ」の製品としてならば受け入れられやすい価格となっている。お手ごろ価格なP10キットの登場で、GXRの質感や存在感にひかれてはいたものの、価格面から腰がひけていた人も手にしやすくなったといえよう。

photo


 そのP10だが、撮像素子とレンズのスペックは同社コンパクトデジカメ「CX3」と同一。しかし、絵作りについてはGXRのテイストになるよう調整が行われているほか、CX3では用意のない、かゆいところまで手が届く撮影設定の快適さがGXR&P10ユニットの特徴といえる。

 P10を装着したGXRは大ぶりなグリップのおかげもあり、ホールド感は高い。また、高倍率ズームレンズながらレンズ部はさほど飛び出しておらず、バッグのなかにもすんなりと収まってくれるはずだ。レンズキャップがCX3のような自動開閉式ではなく、キャップ式なのは残念なところ。

 撮影時は基本的に上面のモードダイヤルで撮影モード(M/A/S/P/オート/シーンモード/マイセッティング1/2/3)を選択したのちに、グリップ上部の電子ダイヤル、十字キーなどで各設定項目を設定する。ADJ.レバーは押し込むことで、ISO/ホワイトバランス/ストロボ/連写/AE・AFポイント選択を行うメニューが画面に表示される。

photophoto モードダイヤルにはカスタマイズしたオリジナル設定を3つまで割り当てることができる(写真=左)、シャッターボタンは大ぶりで押しやすい(写真=右)

 どの部分にどの項目を割り振るかのキーカスタマイズはかなり細かく行えるので、ISO感度を頻繁に調整したいならば、十字キーにISO感度調整を割り振れば、ADJ.レバーのメニューから呼び出すより素早く調整が行える。コンパクトデジカメとして考えると操作できるボタン類は多いが、それだけ操作の快適さは保証されているといえる。

 ここまではGRやCXシリーズとほぼ同等だが、新たにグラフィカルなコントロール画面が用意された。背面の「DIRECT」ボタンを押すと撮影画面に現在選択している撮影モードやISO感度、絞り、ホワイトバランスなど主な設定がオーバーレイ表示され、十字キーとダイヤルの操作でこれらの設定を変更できる(オーバーレイはオフにもできる)。主にデジタル一眼レフの入門機にみられる操作UIだが、現在設定の素早い確認が行えるというメリットもある。

photophoto 非常に豊富なキーカスタマイズ設定(写真=左)、「DIRECT」ボタンを押すことでGUIを利用したメニューも呼び出せる(写真=右)
photophoto ボタンは多いが、使いこなすと非常に素早い操作が可能になる(写真=左)、液晶は3型/92万画素(写真=右)
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