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「GXRデビュー」したくなる、レンズユニット「P10」(2/3 ページ)

» 2010年06月07日 11時48分 公開
[ITmedia]
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 前述したよう、GXRはユニット交換によって撮像素子とレンズが変わるため、その性格もガラリと変わる。APS-Cサイズセンサーと50ミリ単焦点レンズを搭載したA10を使えば、GXRはボケ味や空気感を切りとるカメラとなり、P10を使えば高感度センサーと高倍率ズームレンズによってさまざまな場面で活躍する万能選手になる。ただし、撮影時に絞り優先モードを多用する人には注意点がある。利用する焦点距離によって異なるが、ワイド側で2段/テレ側で3段しか段数は変更できないからだ(例:焦点距離28ミリではF3.5/F7.0、同300ミリではF5.6/F7.7/F15.4のみ選択できる)。

photophoto 28〜300ミリの10倍ズームは強力。これだけのズーム撮影が行える

 主要な撮影機能はCX3とほぼ同等で、露出の異なる2枚の画像を撮影して重ね合わせるダイナミックレンジ拡張機能「ダイナミックレンジダブルショット」も活用できる。効果は5段階から選択でき、最大12EV相当の拡張効果を得られ、ハイライト/シャドーのいずれの領域輝度を優先するかの設定も行える。

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photophoto P10ならではの撮影機能である「ダイナミックレジダブルショット」は「シーンモード」から呼び出す

 高速読み出し可能なCMOSセンサーの特長を生かした連写機能も備える。RAWで約5コマ/秒の連写が行えるほか、10メガで約3秒/15枚、2メガで約0.8秒/26枚を連写する「M連写プラス」も備える。また、画像サイズは640×480ピクセルに固定されるものの、1秒間で120枚(120コマ/秒)あるいは2秒間で120枚(60コマ/秒)の超高速連写も行える。

 そのほか、シャッターボタン半押しで複数のピント位置が自動決定され、5枚の連続撮影を行う「マルチターゲットAF」や画面を細かく分割してその領域ごとにホワイトバランスを決定する「マルチパターンオートホワイトバランス」などもCX3と同様に備える。シーンモードは動画/ポートレート/スポーツ/遠景/斜め補正/夜景/ズームマクロ/ダイナミックレンジの8種類で、CX3にあったミニチュアライズや文字、ペットなどは省かれている。これは対象とするユーザー層の違いに起因するのだろう。

photo シャッタースピード優先 1/400秒 F4.8 ISO 100
photo オート 1/79秒 F3.5 ISO 100
photo 絞り優先 1/310秒 F7.7 ISO 100 

 最初は豊富な撮影設定とカスタマイズ性に戸惑いを感じたが、しばらく使っていれば設定できる幅と操作性の高さは何物にも替え難い魅力に変化する。コンパクトデジカメとしてはサイズは大ぶりで、決して軽量とは言えないが、これは写真を撮っているという満足感につながる。

 10.7倍の高倍率ズームレンズを搭載するが、ズーム時の焦点距離をズームレバーの操作ごとに28/35/50/85/105/135/200/300ミリと切り替える「ステップズーム」がデフォルトでオンになっている。単焦点レンズになれている人にはうれしい機能だが、広角/望遠を一気に切り替えたいときに何度もレバー操作を行う必要も生じる。一般的なコンパクトデジカメでは採用されていない機能なので、デフォルトではオフが望ましいようにも思える。

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