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第1回 風景が映り込んだ水滴マクロ写真の撮り方デジタル一眼トリッキー(2/3 ページ)

» 2010年06月29日 09時17分 公開
[永山昌克,ITmedia]

ピント合わせと絞り調整の注意点

 水滴撮影のいちばんの注意点はピント合わせだ。リバースアダプタ使用時は、レンズとボディをつなぐ電子接点が無効になるため、当然AFは作動せず、マニュアルフォーカスでのピント合わせになる。しかも、超接写では被写界深度が極端に浅くなるため、厳密なピントの操作が必要だ。

 カメラを三脚にしっかりと固定し、ライブビュー表示を見ながらカメラの位置を少しずつ前後に動かしてピントを合わせるようにしたい。前後の移動をスムーズに行うには、三脚に載せた状態でカメラ位置を微調整するためのアクセサリ「フォーカシングレール」を使うと便利だろう。ピントの位置は、水滴ではなく、水滴の中に映った風景側に合わせること。

 絞りについては、開けて撮ると風景にピントが合い、水滴そのものは、ふんわりとぼけて写る。逆に絞りを絞り込むと、風景と水滴の両方をくっきりと写すことが可能だ。撮影の狙いに応じて使い分けたい。

photo 開放絞りのF4で撮影。ピントの幅はカミソリの刃のように薄いので、慎重なピント合わせが欠かせない。EOS 5D Mark II EF17-40mmF4L USM 絞り優先AE F4 1/1600秒 ISO400
photo 開放絞りのF4で撮影。水滴の中に映った花にピントを合わせると、水滴自体はぼけて写る。EOS 5D Mark II EF17-40mmF4L USM 絞り優先AE F4 1/25秒 ISO400
photo 最小絞りのF22で撮影。絞り込んだ場合は、中の風景だけでなく水滴自体もくっきりと写る。EOS Kiss X2 EF-S18-55mmF3.5-5.6 IS 絞り優先AE F22 1/30秒 ISO800
photo 最小絞りのF22で撮影。絞り込むほどライブビューの表示は暗くなるので、明るい場所のほうがピントを合わせやすい。DMC-GH1 M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6L マニュアル F22 1/2秒 ISO400

 リバースアダプタ使用時に絞り値を変更するには、ちょっとした裏ワザが必要になる。その方法はレンズによって異なる。

 ニコンやペンタックス、ソニーのレンズでは、レンズをボディから取り外した状態では絞りが閉じて、最小絞りになっている。絞りを開けたい場合は、レンズのマウント面にある絞りレバーをテープなどで固定すること。絞りリングが備わった古いレンズであれば、リングを回すだけでOKだ。

 いっぽう、キヤノンEFレンズやマイクロフォーサーズレンズでは、レンズをボディから取り外した状態では開放絞りになる。絞りを絞り込みたい場合は、いったん通常の向きでレンズをボディに装着し、撮影モードを絞り優先AEにして、使いたい絞り値にセットする。そして、プレビュー(絞り込み)ボタンを押しながら、レンズ着脱ボタンを押してレンズを取り外すと、任意の絞り値に固定できる。

photo ソニーAマウントレンズ(左)は、レンズを外した状態では最小絞りになる。変更したい場合は、電子接点の左下に見える絞りレバーをテープなどで固定しよう。キヤノンEFレンズは(右)は、レンズを外した状態では開放絞りになる

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