色再現性は重視したいのだが、ハードウェアキャリブレーション対応の液晶ディスプレイは高価すぎるというユーザーには、ハイグレードな汎用ディスプレイと測色器によるソフトウェアキャリブレーション環境を検討してみてはどうだろうか。
ハードウェアキャリブレーションには対応しないが、色再現性を重視した液晶ディスプレイも存在する。例えば、Adobe RGBとsRGBの両方の環境に対応したいならナナオの24.1型WXUGAモデル「FlexScan SX2462W」をはじめとする「FlexScan SX」シリーズ、sRGB環境に的を絞るなら三菱電機の24.1型WUXGAモデル「RDT241WEX」辺りが有力候補だ。これらのモデルと測色器を組み合わせれば、多くの個人ユーザーにとって満足できる色再現性が得られるだろう。
ちなみにFlexScan SXシリーズには、簡易カラーマッチングツールの「EIZO EasyPIX」(EIZO直販価格1万9800円)がオプションとして用意されている。目標値をカスタマイズしてキャリブレーションを行うことはできないが、ディスプレイ内部調整による階調ロスのない補正が可能だ。SX2462Wとの同時購入なら、直販価格プラス5000円で購入できるため、買い得感が高い。
なお、前述の測色器を導入すれば、より低価格な液晶ディスプレイでも、ある程度の精度が望めるソフトウェアキャリブレーション環境を構築することは可能だ。ただし、その場合でも、視野角で有利なIPS方式やVA方式の液晶パネルを搭載し、輝度や色温度、RGB各色の明るさなどの調整段階が細かく、8ビット超のルックアップテーブルと内部多階調処理に対応した高品位な液晶ディスプレイを検討したほうがいいだろう。
一方、測色器を使わない目視での色合わせは非常に困難だ。人間の目は周囲の明るさや色によって順応しやすいので、環境によって惑わされやすい。プリセットのAdobe RGBモードやsRGBモードなどの画質モードが用意されていれば、これを使ったほうがヘタに色調整をいじり回すより無難といえる。
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