撮像素子はSD14と同じく、有効1406万画素の「FOVEON X3」(CMOS)を搭載する。撮像素子のサイズは20.7×13.8ミリで、実撮影画角はレンズ表記の焦点距離の約1.7倍相当になる。
このセンサーは光の3原色であるRGBを3層構造でまとめて取り込むという独特の仕組みを採用している。有効画素数の1406万画素とは、2652×1768ピクセル×3層という意味で、画像ファイルの記録画素数は2640×1760ピクセル(約464万画素相当)になる。一方、処理エンジンには新たに「TRUE II」を搭載している。
新エンジンによって高感度性能が向上し、感度はISO100〜1600に対応。拡張モードを利用すればISO50とISO3200も選択可能になる。従来機SD14はISO100〜800(拡張モードでISO1600)だったので、約1段分アップしたことになる。ただし高感度時の暗部ノイズはそれなりに目立つ。画質を重視するならISO100か200を使用し、ISO400以上は緊急用と割り切って考えたい。
初期設定の画質は、濁りの少ないクリアな発色で、細部の解像感は非常に高い。7種類のカラーモードを切り替えたり、ピクチャーセッティング機能によって、コントラストやシャープネス、彩度をカスタマイズすこともできる。気になったのは、オートの露出とホワイトバランスの傾向にややクセがあること。今回の試用は短期間だったが、きっちりと使いこなすには、もう少し撮影を重ねてオートの傾向を見極めたいと感じた。
作例はWeb掲載の記事という性質上、ほとんどをJPEGで撮影しているが、どちらかといえばRAWで撮影し、PC上で細かく画像調整する使い方が向いている。幅広く一般ユーザーにお勧めできるカメラではないが、じっくりと撮影を楽しみたい人にとっての魅力は高い。得られる絵の個性という点では、ほかに代わりがない唯一無二のデジタル一眼レフである。
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