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夏休みを撮りつくす、帰省前に5万円で買うビデオカメラ考

» 2010年08月09日 16時55分 公開
[ITmedia]
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 家庭用ビデオカメラが「動画を撮るデバイス」から、入学式や運動会、学芸会など子どもの成長に関する映像を記録する「イベントカメラ」になって久しい。日常のスナップ的動画は携帯電話、あるいはデジタルカメラの動画機能がすっかり肩代わりするようになった。

 だが、動画を撮ることに特化した製品である、ビデオカメラならではのメリット――フルハイビジョンを前提とした高画質や高速なオートフォーカス、長時間録画など――が失われた訳ではない。むしろ、近年では製品の小型軽量化や低価格化が進み、一昔前では考えられないほど、高画質な映像を手軽に撮影できる。

 今回はお盆休み直前ということもあり、旅行や帰省前に「えいっ」と買える5万円程度の製品を調べてみた(価格はAmazon.co.jp調べ、8月9日現在)。


 まずビデオカメラの購入検討が久しぶりという人へ向けて、現状を整理してみたい。最近の家庭用ビデオカメラは記録方式はAVCHDに統一されており、記録メディアも内蔵フラッシュメモリ+メモリカードスロットという製品が主流だ。その内蔵メモリも32Gバイトないし64Gバイト搭載が主流となっており、録画時間を心配する必要は少なくなっている(バッテリー駆動時間はまた別の問題)。

 今春〜夏のトレンドとしては、小型製品の増加が挙げられる。シリーズ上位モデルに比べるとセンサーの画素数やサイズが小さめである、液晶画面が小さめであるなどの差異は認められるものの、フルハイビジョン記録やシーン認識、顔検出など主な機能はほぼ上位モデルとかわらず実装しており、手軽さを重視するならばこうした製品を積極的に選んでもいい。

 「5万円程度」&「小型軽量」という条件だと、おすすめのひとつはパナソニック「HDC-TM35」だろうか。フルハイビジョン記録に対応しながら約185グラムと「世界最軽量」の軽さを実現。また、女性の手でも操作しやすいようグリップベルトなどのデザインに意匠が凝らされており、家族旅行などにも適する。

photo パナニック「HDC-TM35」

 そのほかではソニー「HDR-CX170」、キヤノン「iVIS HF M31」などが5万円以下で入手できる。いずれも春発表のモデルで新鮮味はないが、その分だけ価格面でのこなれが目立ち、お買い得感が高い。お買い得感という意味では、3万円台前半となっているキヤノン「iVIS HF R10」も候補となる。内蔵メモリが8Gバイトとややさみしいが、それでも最高画質のFXPモード(フルHD/ビットレート約17Mbps)で約1時間録画できるほか、メモリーカードスロットを備えているので、イベントごとにSDメモリーカードを差し替えるという使い方もありだろう。

 携帯電話/デジカメの動画撮影機能と比べたときに際だつ、ビデオカメラの特徴である「高倍率レンズ」「長時間録画」を重視したいならば、日本ビクターの「GZ-HM350」ないし「GZ-HD620」はどうだろうか。GZ-HM350は36倍(35ミリ換算43.7〜1573ミリ)、GZ-HD620は30倍(35ミリ換算43.7〜1311ミリ)の高倍率ズームレンズを搭載しており、GZ-HD620は記録メディアに120GバイトのHDDを搭載することで、フルHD/24Mbpsの最高画質モードでも約11時間の録画を行える。GZ-HM350はやや5万円を上回るが、GZ-HD620は4万円少々と記録メディアにこだわりがなければ、なかなか良い選択になりそうだ。

photophotophoto 左からソニー「HDR-CX170」、キヤノン「iVIS HF M31」、日本ビクター「GZ-HM350」

 手軽に撮影するという観点からすれば、一考の価値があるのが三洋電機の「Xacti」シリーズ。特徴あるグリップスタイルは片手で操作するのに適した形状であるし、記録形式がMPEG-4 AVC/H.264(記録ファイルの拡張子は.MP4)であり、動画共有サイトへの掲載や動画編集といったパソコンでの処理にも適している。トレードオフとしてAVCHD形式を採用する前述の製品群に比べて、デジタルレコーダーや薄型テレビとの親和性は低い。撮った後、どのように映像を楽しむかでXactiを検討対象とするかが決定されるだろう。

 さてそのXactiシリーズだが、ほぼすべての製品が実売5万円以下で購入できる。おすすめモデルは季節柄、防水タイプの「DMX-CA100」だろう。水深3メートルの深さで最長60分間の利用に耐える防水性能を持ち、もちろん、フルハイビジョン録画が可能だ。

photo 「光学ズームレンズ搭載のコンシューマ向けフルハイビジョンビデオカメラにおいては世界初の防水タイプ」という、三洋電機の“Xacti”「DMX-CA100」

 ただ、DMX-CA100は既存製品からボタンレイアウトの変更が行われており、従来は右手親指で操作していた、メニュー呼び出しや再生/停止などのキーはグリップ部分に移動した。撮影系と再生系を分けた格好だが、親指1本ですべてを操作することはできなくなった。旧来からの操作UIのほうが好ましいと感じるなら、「DMX-CA9」などの在庫があるうちに購入しよう。

製品名 撮像素子 レンズ(動画記録16:9時、35ミリ換算) 記録方式 サイズ(幅×高さ×奥行き/重さ) その他
HDC-TM35 1/4.1型 総画素332万画素MOSセンサー 16.8倍ズームレンズ 35.8〜716ミリ相当 AVCHD 51.5×57.5×107.5/約185グラム 内蔵メモリ32Gバイト
HDR-CX170 1/4型“Exmor R” 総画素420万画素CMOSセンサー 25倍ズームレンズ 37〜1075ミリ相当 AVCHD 50×56×106/約210グラム 内蔵メモリ32Gバイト
iVIS HF M31 1/4型 総画素389万画素CMOSセンサー 15倍ズームレンズ 39.5〜592.5ミリ相当 AVCHD 68×60×123/約320グラム 内蔵メモリ32Gバイト
iVIS HF R10 1/5.5型 総画素239万画素CMOSセンサー 20倍ズームレンズ 40〜800ミリ相当 AVCHD 60×64×124/約270グラム 内蔵メモリ8Gバイト
GZ-HM350 1/4.1型 総画素332万画素CMOSセンサー 36倍ズームレンズ 43.7〜1573ミリ相当 AVCHD 52×62×110/約220グラム 内蔵メモリ32Gバイト
GZ-HD620 1/4.1型 総画素332万画素CMOSセンサー 30倍ズームレンズ 43.7〜1311ミリ相当 AVCHD 53×63×115/約270グラム 内蔵HDD120Gバイト
DMX-CA100 1/2.33型 総画素約1440万画素CMOSセンサー 5倍ズームレンズ 動画撮影時はアドバンスドズームにて6倍。40〜240/80〜480ミリ(切り替え可) MPEG-4 AVC/H.264 92×40.8×123/約225グラム 防水

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