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「DSC-WX5」のちょっといいトコ、見てみたいレビュー(1/2 ページ)

» 2010年08月10日 17時02分 公開
[渡邊宏,ITmedia]

 ソニー“サイバーショット”「DSC-WX5」は、裏面照射型CMOSセンサーを搭載した同社第一号機「DSC-WX1」の後継となるモデル。フラットボディの「DSC-TX9」とは兄弟機の関係にあり、DSC-TX9がカード型のフォルムを強調しているのに対して、よりカメラっぽいコンサバな外観が特徴だ。

 基本機能はDSC-TX9とほぼ共通なので、概要はコチラ(→レビュー:カメラ任せで最適な写真――サイバーショット「DSC-TX9」)を参照して頂くことにして、本稿ではWX5の概略と、WX5/TX9に共通する特徴的な撮影機能を紹介しよう。

 WX5の外観はひと言で言えば「スタンダード」。TX9のような特別な薄さはないが、四方はよりコンパクトで手のひらにすっぽりと収まる。上面には電源、ズームレバーと一体化したシャッターボタン、連写ボタンが、背面にはシーンセレクトダイヤルや動画ボタン、十字キー、メニューボタンなどが用意される。ごくごく一般的なボタンレウアウトといえるだろう。

photophoto 「DSC-WX5」。写真のカラーは「ブラウン」。光沢の有無を上手に使い分けており、金属的な光沢はありながら、華美な印象はさほどない。
photophoto 背面液晶は2.8型/46万画素の「クリアフォト液晶プラス」。モードダイヤルには「プレミアムおまかせオート」と「背景ぼかし」が組み込まれている

 レンズはF2.4-5.9の35ミリ換算24〜120ミリ光学5倍ズームレンズ。DSC-TX9はF3.5-4.6の35ミリ換算25〜100ミリ光学4倍ズームレンズなので、数値だけを並べれば、WX5のほうがズーム倍率が高く、ワイド端が明るく、やや有利といった感じ。最近ではコンパクトデジカメで5倍ズームは一般的なので、特筆に値するスペックとは言えないが、5倍あるとかなり寄れる。

photophoto ワイド端(写真=左)とテレ端(写真=右)

 背面のモードダイヤルには、「プログラムオート」「スイングパノラマ」「動画」「3D」「シーンセレクト」「背景ぼかし」「おまかせオート」「プレミアムおまかせオート」の各項目が用意されている。ダイヤル上に絞り優先やシャッター優先がないあたりに、本製品の性格がよく表されている。

 WX5/TX9で新たに搭載されたのは、「プレミアムおまかせオート」と「背景ぼかし」。前者はこれまでのオート撮影「おまかせオート」に、「手持ち夜景」「人物ブレ軽減」「HDR」などという連写/カメラ内合成機能を複合させたもので、シーンに応じてカメラがさまざまな処理をしてくれる。

 ちなみに連写と合成処理を行うので、多の撮影モードに比べてシャッターを切るテンポは落ちる。どれくらい待つかは、どの処理を行うかにも左右されるのだが(手持ち夜景やブレ軽減では6枚連写と合成だが、HDRは2枚連写と合成なので、処理時間は後者の方が短い)、長くて2〜3秒といったところか。

 TX9のレビューでも言及されているが、「プレミアムおまかせオート」と「おまかせオート」では、プレミアムおまかせオートのほうがよい結果が得られることが多かったので、個人的には常時プレミアムおまかせオートでも構わないと思う。ただ、撮影タイムラグが気になるなるひとは、普段はおまかせオート、夜景や夜の室内、逆光時などにはプレミアムおまかせオートと使い分けていくのがいいかもしれない。

photophoto 逆光下での「おまかせオート」(写真=左)と「プレミアムおまかせオート」(写真=右)。プレミアムおまかせオートではHDRが有効なった

 プレミアムおまかせオートは最大で6枚を連写して合成する(フラッシュ撮影時は合成なし、HDR時は2枚連写と合成)のだが、高速で移動する被写体を上手に合成できるだろうか。気になって自動車やホームへ入線する電車を撮影してみたところ、ほぼ問題なかった。おまかせオートでも被写体ブレするような被写体は、同様にブレてしまったが、合成に伴う不自然さは感じられなかった。

photophoto ホームへ入線する列車も自然に撮影できた(写真=左)、手前を通過する自動車は被写体ブレしまったが、合成に伴う不自然さはなかった(写真=右)
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