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秋の巡航を“自慢”するなら、フルハイビジョンの「Xacti DMX-CA100」がいいみたい勝手に連載!「海で使うIT」(3/4 ページ)

» 2010年09月17日 19時06分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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“より遠く”に特化した2段階ズーム

 小さい船のデッキやキャビンでDMX-CA9を使って動画撮影をしていると、被写体や背景までの距離が短いために「もっと広角で撮影できれば」と思うことが多かった。実際、小型帆船の艇長で同様に思うDMX-CA9のユーザーは多かったようで、サードパーティー製の広角レンズアダプタをあわせて使うケースも多い。

 DMX-CA100では、ダブルレンジズーム機能が導入され、本体にズーム切り替えスイッチが新たに設置された。DMX-CA9ユーザーとしては、「おおっ!広角側にシフトしてくれたか!」と期待したが、残念ながら、「ダブルレンジズームWモード」でf=40〜240ミリ相当、「ダブルレンジズームTモード」でf=80〜480ミリ相当と、DMX-CA9からさらにズーム側に拡張したスペックとなった。

 遠くのものを撮影したいときには、ダブルレンジズームのTモードに切り替えて使うことになるが、ガングリップボディであるためか、手持ちで撮影する場合は手ブレ防止機能を有効にしていても、安定した動画を得ることは難しかった。特に揺れる船上からTモードの最大射程で狙った動画は見るのも非常に厳しい。「ならば、三脚立てて揺れない陸で使えよ」となるが、三脚に載せて使うのは機動力が求められるガングリップカメラとしてどうなのよ、と思わなくもない。

 もう1つ、DMX-CA9のユーザーが強く改善を望んでいたバッテリー駆動時間だが、DMX-CA100もさほど長くない。ユーザーの個人的な使用リポートを見ても標準バッテリーでは1時間前後というのが平均的な値だ。DMX-CA9では、オプションのバッテリーを用意することで対処していたが、これは、DMX-CA9にバッテリー充電器が標準で付属していたおかげだ。

 一方、DMX-CA100にはバッテリー充電器が標準で付属しないので、バッテリーを本体に内蔵したままUSBインタフェースから充電するしかない。日帰りの撮影でも予備バッテリーが欠かせないと思えるので、これは運用が難しい。

 もう1つ、バッテリー運用で不満を感じるのが、DMX-CA100の液晶モニタにバッテリー残量が表示されなくなった点だ。データストレージとして使うSDメモリーカードの価格が安くなり8Gバイトや16Gバイトが手軽に購入できるようになったおかげで、1920×1080ドットの動画でも1時間半程度は記録できるようになった。そうなると、バッテリー駆動時間のほうが記録時間よりも短くなるわけで、バッテリーの交換タイミングが気になってくる。

 「バッテリーの交換直前に警告が出れば十分じゃない」という意見もあるが、標準構成では予備バッテリーの運用が難しいDMX-CA100では、「バッテリー残量が半分切ったけど、メインイベントはまだまだ後だから、ここの撮影は短く抑えておこうか」というように、本体のバッテリー残量と、その日の「行楽スケジュール」にあわせて、撮影する時間を調整していきたいが、それができないことになる。

液晶モニタに表示される情報を比べる。DMX-CA100の液晶モニタは2.7型ワイド(写真=左)とDMX-CA9の2.5型ワイドからサイズアップしている(写真=右)

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