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10倍ズーム搭載の高感度万能選手――キヤノン「IXY 50S」(1/4 ページ)

» 2010年09月22日 09時26分 公開
[小山安博,ITmedia]
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photo 「IXY 50S」

 キヤノンのコンパクトデジタルカメラ「IXY」シリーズの最新モデルとして、「IXY 50S」が登場した。コンパクトなボディながら、光学10倍ズームレンズを搭載したことが大きな特徴だ。高倍率ズームに関しては別記事(高倍率スリムデジカメ7機種を比較する(前編)――テレとワイドの写りはどう違う?) (高倍率スリムデジカメ7機種を比較する(後編)――夜景とHD動画、独自機能を見比べる )にて採り上げられているので、今回はそれ以外の部分についてチェックしてみたい

10倍ズームレンズ搭載でもフラットなボディ

 IXY 50Sはフラットなデザインのボディに35ミリ換算36〜360ミリの光学10倍ズームレンズを搭載しており、「光学10倍以上のズームレンズを搭載した製品として、世界最薄」(発表時)のスリムさが大きな特徴だ。

 光路上にプリズムを設け、収納時にはプリズムが待避してそのスペースへレンズが収納される「屈曲沈胴プリズム退避鏡筒」構造を採用しており、レンズ収納時にフルフラットになるのはいい。高倍率ズームレンズを搭載したとはいえ、IXYは気軽にポケットや小さなバッグに収めてサッと取り出して使うのが本分だ。

photophoto レンズを収納するとフラットになるボディ(写真=左)、レンズは大型で迫力があるが、10倍ズーム機としてはコンパクトな仕上がり(写真=右)

 前面はIXY 30Sにテイストが似ているが、より直線を生かした印象。レンズは中央寄りに配置されており、高倍率ズームのためかIXYシリーズとしては大型だ。

 上部にはズームレバーの一体型シャッターボタン、電源ボタン、モードスイッチを配置。背面は動画ボタン、4方向ボタンと一体化したコントローラーホイール、ディスプレイボタン、再生ボタンが配置されており、ボタン数は少なくシンプルだ。

photophoto ワイド端(写真=左)とテレ端(写真=右)でも、レンズの繰り出しはそれほど大きくない

 撮影時はモードスイッチで右端のAUTO(こだわりオート)、中央の通常撮影(プログラムオート)、左端の動画のいずれかに設定する。背面には動画ボタンがあり、静止画撮影中もいつでも動画撮影できるので、普段はAUTOか通常撮影を選んでおけばいいだろう。スイッチは堅めでそれぞれの位置に合わせやすいが、右のAUTOから中央の通常撮影に移動しようとした場合に、勢い余って動画までスライドしてしまうという難点がある。

photo 本体上部にはモードスイッチ、電源ボタン、ズームレバー一体型シャッターボタンを配置

 撮影時の設定は、既存製品と同じくコントローラーホイールの中央にあるFUNCボタンを押す。UIはおなじみの画面左側に設定項目が並ぶスタイルで、通常撮影モード時はシーンモード切り替え、露出補正、ISO感度、ホワイトバランスなどの設定が可能。動画撮影時の解像度設定もできる。静止画撮影時のホワイトバランスは、動画ボタンから動画撮影をした場合も引き継がれるようだ。

photophoto 本体背面。ボタンは大型で押しやすい。コントローラーホイールの操作感は良好だが、やや十字方向が押しにくい印象(写真=左)、コントローラーホイールにはアイコンが刻印されておらず、ホイールに触れると画面に設定が表示される。ただ、状況に応じてボタンに割り当てられた機能が変わるといったことはないようだ(写真=右)

 IXYシリーズということもあり撮影の基本はオート(こだわりオート)撮影だ。変更できる項目は基本的な設定に限られており、撮影設定として操作できるのは露出補正とISO感度、ホワイトバランス程度となっているのはいささか残念に思う。

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