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10倍ズーム搭載の高感度万能選手――キヤノン「IXY 50S」(2/4 ページ)

» 2010年09月22日 09時26分 公開
[小山安博,ITmedia]
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「HS SYSTEM」による高感度&低ノイズ撮影

 撮像素子として1/2.3型の有効1000万画素 裏面照射型CMOSセンサーを搭載する。裏面照射型CMOSは構造的に高感度撮影に適しており、IXY 50Sではこの高感度センサーに画像処理「DIGIC 4」を組み合わせたノイズ低減/ダイナミックレンジ拡大システム「HS SYSTEM」を採用している。

 従来のコンパクトデジカメは、ISO感度オートでは画質への影響を避けるためISO感度は上げずに撮影する例が多かったが、IXY 50Sではオートモードでも最高ISO1600までアップする。高感度撮影時のノイズ低減も同時に図られており、昨年モデルの「IXY DIGITAL 220 IS」に比べると、同感度で約60%のノイズ低減を実現しているそうだ。

 実際に夜間撮影をしてみると確かに高感度での画質は向上しており、解像感は甘くはなるものの高感度撮影時のノイズは明らかに少なく感じる。オートモードでISO1600まで増感しても画質への影響は少なく、シャッタースピードを稼げるために手ブレ、被写体ブレも起こりにくくなっている。

photo IXY 50Sで撮影した夜の高速道路出口。ノイズの少ないシャープな描写だ

 通常の撮影に加えて、シーンモードには「手持ち夜景」モードを搭載。複数枚の画像を連写の後に合成してノイズを低減する。手持ち夜景では最大ISO3200まで増感し、できるだけシャッタースピードを速くして手ブレしないようにした上で、合成機能によりノイズを低減する。

photophoto 左が通常撮影。右が手持ち夜景モード
photophoto 参考として、同じく裏面照射型CMOSセンサーを搭載し写真合成による手持ち夜景モードを備える「DSC-HX5V」の撮影例。左が通常撮影。右が手持ち夜景モード

 こうした合成機能は撮影後に数秒の合成時間が必要だが、それほど待たされることもなく、積極的に使っいたい気になる。画像合成は適切で、動体撮影でなければ失敗はあまりないいようだ。

 CMOSセンサーの高速性を生かした連写機能も特徴だ。通常時でも約3.7コマ/秒の連写が可能で、シーンモードから「ハイスピード連写」を選択すると、約8.8コマ/秒の高速連写が可能になる。ただし、撮影解像度は250万画素に制限されるため、物足りない部分ではある。

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