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ニコン、裸眼立体視の3D写真サービス「my Picturetown 3D」

» 2010年10月26日 13時58分 公開
[ITmedia]
photo 「my Picturetown 3D」の3D写真閲覧に利用するデジタルフォトフレーム「NF-300i」

 ニコンは10月26日、インターネットを経由して通常のデジカメ画像を3D画像へ変換し、専用デジタルフォトフレームにて表示する新サービス「my Picturetown 3D」を12月上旬より開始すると発表した。サービス料金は月額1995円(年払いでは1万9950円)で、料金には専用デジタルフォトフレーム「NF-300i」のレンタル料金も含まれる。

 これは同社の写真共有・保存サイト「my Picturetown」の新サービスとして提供されるもので、my Picturetownへアップロードした任意のデジカメ画像がサーバ上にて3D画像表示対応な形式に変換され、ネットワーク接続機能(IEEE 802.11b/gおよび100Base-T)を持ったNF-300iにて表示させると3D写真を楽しめる。NF-300iは液晶パネル表面に凸レンズを設けたレンチキュラーシートが設けられており、3Dメガネなしでの裸眼立体視が可能だ。

 立体視を行うためには、表示するデータに奥行き方向の情報が含まれている必要があるが、通常のデジカメ画像には奥行き方向のデータが含まれていない。そのため、本サービスでは画像解析にもとづいて奥行き方向の情報を疑似的に作り出し、左右両眼用の画像データを生成する。処理に要する時間はもとの画像データによって異なるが、最短では数分にて生成が完了する。なお、本サービスを退会するとNF-300iは返却する必要があるが、生成した3D画像についてはmy Picturetown上に保存される。

photophotophoto NF-300iの液晶パネルは7.2型(800×600ピクセル)でサイズは約146(幅)×109.8(高さ)ミリ。メモリーカードスロットは搭載しておらず、あくまでもネットワーク端末としての利用が想定されている(USB端子を搭載しているがメンテナンス用だという)。OSにAndroid 2.1を採用しており、SDKの提供も検討するという

 立体感については「自然な見た目」(同社)を重視した生成と表示を意図されており、具体的には「広角でパースが付いた写真」「奥に向かって物体が並んでいる写真」「被写体の後方がほどよくボケている写真」などが本サービスを利用した際に、自然な立体感を得られるという。

photophotophoto 立体感を得られる適切な距離は約1メートル。自然な見え方を意識したということもあり、疑似3Dのファイルを表示しているとはいえ、不自然な印象はない。ただ、レンチキュラーシートを用いる方式のため、3D表示時の視野角はあまり広くない印象だ

 NF-300iはOSにAndroid 2.1を採用しており、3D/2Dの画像閲覧のほか、カレンダーや時計、天気予報、RSSリーダーなどのアプリケーションも利用できる。4Gバイトのメモリも搭載しており、任意の画像をmy Picturetownから本体メモリへダウンロードして鑑賞することができるため、必ずしも常時ネットワークに接続されている必要はない。

 2D→3D変換は毎月3枚まで無料(月額/年額料金に含まれる)で、4枚目以降は1枚300円の追加料金が発生する。NF-300iには3Dのサンプル画像がプリインストールされているほか、写真家集団「マグナム・フォト」の撮影した期間限定コンテンツがmy Picturetown上に用意されるため、どのような立体感を得られるかを事前に確認可能だ。

 my Picturetownは2007年に開始されたサービスで、今年9月にはFacebook連携などの機能を新たに実装してのリニューアルが行われている(→Facebook連携、ニコンが「myPicturetown」を全面リニューアル)。

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