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快速AFだけじゃない、ミラーレス一眼の旗頭――パナソニック「DMC-GH2」(3/5 ページ)

» 2010年11月05日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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 もうひとつは動画。DMC-GH1はフルHDといいながら、撮像素子からの出力は秒24コマだった。今回は秒60コマで出力されるので、1920×1080/60iという“本物”のフルHDで録画できる。また映画ライクな記録をしたいひとのため24pでの出力も用意された。

 動画中にシャッターを押すと静止画も撮れる(フルHDサイズなら動画と同時に。もっと大きなサイズで静止画を撮るときは動画の方が一瞬止まる)ようになった。「M動画」モードにすると細かいセッティングも可能だ。

 撮影感度も上がった。DMC-GH1はISO 100〜3200だったが、DMC-GH2はISO 160〜12800と大幅にアップ。実際にどのくらい変わったか。見比べてもらおう。

photo ISO3200の画像を比較。左がDMC-GH2。右がDMC-GH1。左の方がノイズが少なくて滑らかだ

 これISO3200での比較だが、DMC-GH2はノイズが明らかに減っている。多少ディテールがやわらかくなったが、この辺はシャープネスをあげたり、「超解像」を強めにかければいいだろう。この機能は2010年度版LUMIXの特徴的なもので、画像を解析して必要と思われる場所だけシャープにして解像感をあげる。何パターンか試したところでは不自然なかかり方はしなかったようなので、日常的にオンにしてもあまり問題はなさそうだ。

photo こちらも等倍で比較してみた。左が超解像オフ、右が超解像強(3段階目)。確かに右の方がディテールがしっかりしているが、さほど不自然さはない

 もうひとつ、従来の暗部補正は「インテリジェントDレンジコントロール」と名前をかえ、ハイライト部もシャドウ部も補正してくれるようになった。仕上がりのコントロールという意味では従来のフィルムモードや、ポップ・レトロなどのフィルタをかけられるマイカラーモードも用意されている。最近よく見るHDRやジオラマ風、連射+合成でノイズを減らす夜景機能などは持たない。むしろミラーレス一眼のフラッグシップとして基本性能を強化したカメラなのだ。

 操作感も、多くのミラーレス一眼がコンデジからのステップアップユーザーを念頭に置いた、液晶モニタを多用する操作系であるのに対し、DMC-GH2はカスタマイズの幅も広く、専用のボタンやレバーも多く用意されていて、セッティングでイライラすることもない。タッチパネルもうまく生かしている。

 本製品の登場にあわせ、広角の単焦点レンズ「LUMIX G 14mm/F2.5 ASPH.」や100-300mm(35ミリ換算で200〜600ミリだ!)の望遠ズーム「LUMIX G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6/MEGA O.I.S.」も用意され、レンズも充実してきた。いわゆるデジタル一眼レフよりひとまわりコンパクトで軽い(DMC-GH2の本体重量は約392グラム)ので、軽快に動作するレンズ交換カメラシステムが欲しい人や、本格的に一眼によるHD動画に挑戦したい人のカメラとして魅力的である。

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