購入した人はお分かりの通り、ソニーのミラーレスデジタル一眼「NEX」シリーズは、デジタル一眼カメラとしては珍しく、製品パッケージにボディキャップが付属せず、ダブルレンズキット以外ではレンズリアキャップも付属しない。つまり、購入したままの状態では、レンズとボディを分離した状態で持ち運んだり、保存したり、撮像素子を清掃したりする時に撮像素子がむき出しのままという状態になってしまう。
もともと、ボディやレンズが超小型であり、レンズとボディを外した状態で持ち運ぶこともないだろうと考えていたが、いざダブルレンズキットを手に入れて実戦投入してみると、やはりボディキャップの不在にもどかしさを覚えるようになった。
発売当初は、一般ユーザーがボディキャップを手に入れるすべがなく、後に保守部品として用意され、10月になって単品販売が始まり、店頭や同社直販ページで購入することができるようになった。具体的には、ボディキャップ(ALC-B1EM)とレンズリアキャップ(ALC-R1EM)がそれぞれ630円(税込み/ソニーストアの場合)で販売されている。純正品らしく、キャップ中央に「SONY」ロゴが鎮座しており、上部に「E-mount」の文字が刻まれたものだ。ただ、今回はコストパフォーマンスを重視して、サードパーティ製品であるエツミのレンズキャップセットを購入してみた。
エツミはソニーのEマウントのほかにマイクロフォーサーズ用のキャップシリーズをラインアップしており、それぞれボディキャップ単体、レンズリアキャップ単体、2つをまとめたキャップセットという構成になっている。ここで取り上げる「ソニーのEマウント対応ボディー&リアーキャップセット」(E-6345)は、定価が1407円(税込み)と、ボディキャップ(E-6343/829円)およびレンズリアキャップ(E-6344/829円)を別々に買うよりもお得なパッケージだ。ちなみに、筆者が購入したamazon.co.jpでは980円だった(2010年11月8日現在)。
製品パッケージは至ってシンプルで、ボディキャップとレンズリアキャップのみが用意される。純正品がグレーであるのに対し、エツミ製のキャップはブラックなので、NEXのボディカラーがブラックの場合は見た目のバランスがよく、好都合といえるだろう。SONYロゴがなくなるのはやむを得ないところだが、レンズリアキャップは純正品とほとんど形状が同じで、ボディキャップは純正品にない「OPEN」「CLOSE」の文字が矢印とともに刻まれているのが親切だ。重量はボディキャップが約10グラム、レンズリアキャップが約14グラムで、後者は純正品(約11グラム)に比べるとわずかに重いが、体感できるほど違いはない。
実際にキャップセットを手にしてみると、カメラバック以外の通常のバックだと一眼レフカメラの形状はどうにも収まりが悪かったのだが、ボディとレンズが別々になることで、収納の柔軟性が飛躍的に高まった。手持ちのカバンにPCやiPhone、Wi-Fiルータなど仕事道具を詰め込むとNEXの収納場所に難儀していたのだが、かなりスムーズに行えるようになった。
いずれにせよ、利用方法にも左右されるだろうが、購入時にボディキャップとレンズリアキャップはセットにしてほしい。なぜなら、デジタル一眼カメラとして末永く愛用していくために欠かせないアイテムだからだ。だって、気軽にボディだけを磨いたり、撮像素子を清掃したり、持ち運べないカメラに愛着はわかないぜ、というのが率直な思いである。
NEXはカラバリの追加、ファームアップによりAマウントレンズのAFを実現したり、操作メニューのカスタマイズが可能になったりと、順調に進化を続けている。フォトキナ2010では、2012年までに7本のEマウントレンズをリリースするとアナウンスされ、不足しているレンズラインアップも解消される見込みが立った。一方で、サードパーティからは続々とマウントアダプタが登場しており、ボディキャップとレンズリアキャップの需要は、高まりこそすれ、減ることはないはずだ。
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