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» 2010年11月12日 11時13分 UPDATE

“デジタルならでは”EXILIM「EX-ZR10」の「HDRアート」「マルチ超解像」を試す

カシオ計算機“EXILIM”「EX-ZR10」は、高速読み出しCMOSセンサーと新型画像処理エンジンの組み合わせによって、デジタルならではの機能を多数搭載する。そのなかの「HDRアート」「マルチ超解像ズーム」を試用した。

[ITmedia]

 カシオ計算機のコンパクトデジタルカメラ“EXILIM”「EX-ZR10」は、高速読み出しの可能なCMOSセンサーを搭載した製品だ。従来から同社は高速読み出しセンサーを活用した超高速連写機能など特徴的な機能を多く製品へ投入してきたが、本製品では新たに高速処理を行えるマルチCPU構成の画像処理エンジン「EXILIM ENGINE HS」を採用することで、連写以外の用途も提案している。

 そのひとつが「HDRアート」であり、「マルチ超解像ズーム」だ。デジタルならではと呼べる機能をこれらを試用した。

 HDRアート機能は、露出の異なる画像を連写してダイナミックレンジを拡大するダイナミックレンジ拡張を応用した機能で、「ダイナミックレンジの拡大された画像をカメラが解析し、局所的にコントラストや彩度を高めた絵画のような仕上がり」(同社)とする機能だ。製品サイトにいくつかの作例が掲載されているが、油絵のような、印象派の画家クロード・モネのような、非常に印象的な画像を作り出す。

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photophoto 左が通常撮影、右がHDRアート適用時
photophoto 昼と夜ではまた雰囲気が異なる

 使用はメニューから「HDRアート」を呼び出し、シャッターを切るだけ。シャッターを切ると連写と画像処理が行われ、2秒ほどですべての処理が完了する。パラメータ設定などは存在せず完全に撮って出しとなるので、本機能の“作風”を気に入るかどうかが価値を見いだせるかのポイントになるが、最近ではHDRを積極的に表現技法として活用して楽しむ層も海外を中心に広まっている。画像処理ソフトや特殊な撮影テクニックを駆使することなく、手軽に“HDR風”を楽しめる機能として使ってみるのも楽しいだろう。

 もうひとつの「マルチ超解像ズーム」は、高速連写した画像を合成することで画質劣化を抑えたズームを行う機能で、メニューの「HS BEST SHOT」から選択する。本製品は35ミリ換算約28〜196ミリの光学7倍ズームレンズを搭載するが、本機能を用いることでこの倍率を超えての画質劣化を抑えたズームが行える。なお、搭載するCMOSセンサーの画素数は有効1200万画素だが、マルチ超解像ズーム利用時は記録画素数が最大1000万画素とやや低下する。そのかわり、マルチ超解像ズームを利用した1000万画素での撮影時には光学ズーム倍率が最大7.7倍となる。

photophoto 1200万画素の通常オート撮影。ワイド端(写真=左)とテレ端(7倍ズーム、写真=右)
photophoto マルチ超解像を利用した際の7.7倍ズーム(写真=左)、14倍ズーム(写真=右)

 方法としては画素の中心部分のみを切り出すいわゆるトリミングだが、連写した4枚の画像のそれぞれから情報を抽出して合成する(被写体は同一ながら、時間軸の異なる画像を情報を抽出して合成するという意味ではテレビでの超解像に手法として近い)ため、高い画質を実現できるという。中央部分の切りだし領域を小さくするかわりにズーム倍率を上げることも可能で、画素数とズーム倍率は1000万画素/14倍からVGA/79.7倍(画質劣化を容認できればさらにデジタルズームを併用して111.6倍まで拡張が可能)までの間で設定できる。

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photophoto 記録画素数を変えながらのマルチ超解像ズームの利用例。左から14倍(1000万画素)、15.6倍(800万画素)、20.5倍(500万画素)、24.9倍(300万画素)、79.7倍(VGA)

 撮影例を見ても分かるが、超解像による処理を施すといってもさすがに79.7倍まで引き上げると画像は相当荒れるうえ、手持ちでの撮影も厳しい。1000万画素/14倍もしくは800万画素/15.6倍あたりまでが実用の範囲内か。光学倍率の2倍を超えたあたりから緊急避難的な色彩が強くなるが、どうしても遠方のものを記録しておきたいというシーンで役立ってくれるだろう。

 このほかにもデジタル処理を生かした撮影機能としては、最大13EVまでのダイナミックレンジを拡張するHDRのほか、対象の解析から最適な撮影設定を算出し、さらに撮影画像についても適切と思われる画像処理を施す「プレミアムオート」、最大40コマ/秒の高速連写機能なども備えており、“デジタル”カメラとしての進化を感じさせる1台となっている。

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