と、普通に夜景+イルミネーションの写真を撮ってきたのだけど、実際に歩いてみると、街っていろんなライティングがそこかしこにあって結構明るい。だったら、その場の明かりを使ってみよう。
このとき大事なのはレンズの明るさ。
明るいレンズだとその分背景もボカせるし夜っぽいふわっとした写真を撮れるし、何よりシャッタースピードを稼げる。
レンズの明るさは「F5.6」というようにFをつけた数字で表す。
初心者向けデジタル一眼とセットで売られる18〜55ミリぐらいのズームレンズ。これをまんなかの35ミリぐらいで使うと、明るさは絞り開放でF4.5くらいか。
対して、焦点距離が35〜50ミリぐらいの単焦点レンズだとF2.0以下のものがある。今回メインで使ったのは35ミリ F1.8。この差はどのくらいか。
カメラの世界では2倍の差を「1段」と呼んでいる。
絞り値はF1.0→1.4→2.0→2.8→4.0→5.6と暗くなっていく。ちなみにF1.8と4.5の差は3段。話をシンプルにするため、F1.4とF4.0として、手ブレも被写体ブレもしないで撮れるシャッタースピードを1/30秒とすると、1段は2倍なので、F4.0だとISO3200でないと撮れない場所でも、F1.4ならISO400でいける計算になる。この差は大きい。
ちなみに、なぜ1.4→2.0……と中途半端な数値で上がっていくのか、というと、実はこれ、√2倍ずつなのだ。なぜ√2なのかというと、絞りというのは面積で、円の面積はπ×半径の2乗で、絞り値は逆数をとってるから。うーんと、F1.4からF2.0だと光の量は1/2になる。光の通る面積を半分にするには半径を「1/√2」にすればいい。そういう感じだ。
数字の話はおいといて、実際に街のいろんな明かりを使って撮ってみよう。
顔にふわっと光が当たってる。これだけ見るとなんか幻想的でいい感じなのだけど、種明かしはこう。
歩道上に埋め込まれた街路樹を下からライトアップするスポットライトを利用したのである。
次はビルに入ってるテナントから漏れる光を使って撮影。
結構自然な感じになる。
ライトが明るいとすごくさわやかな感じに。
ではもうちょっとクリスマスっぽいところで撮ってみよう。
店内の明かりを使い、ガラスの向こうに飾られていたクリスマスツリーを一緒に。きれいに飾られたクリスマスツリーの明かりだけで撮ったらどうなるか。こうなります。
イルミネーションの色が顔に反射して赤っぽく光ってる。その雰囲気を出すためにホワイトバランスはあえて太陽光に。イルミネーションは明滅するからちょっとしたアングルやタイミングで雰囲気が変わるのでたくさん撮ってみる。これでだいたいISO400で1/60秒でF1.8くらい。十分手持ちで撮れる。
明るいレンズだとこのようにイルミネーションがふわっとボケてきれい。
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