もはやデジタルカメラにとって一般的な技術となった顔検出。フレーム内にヒトの顔があればそれを検出してピントと露出を合わせるのはもちろん、笑顔やまばたき、事前に登録した顔との認証機能までも備えるようになり、最近では犬猫の検出までも行う製品すら登場している。
パシフィコ横浜で開催されている組み込み関連イベント「組込み総合技術展 Embedded Technology 2010(ET2010)」にて、パナソニックシステムネットワークスは犬・猫・鳥の検出が可能な機能追加を施した顔認証ミドルウェア「FaceU」のデモを行っている。
追加されたペット認識機能は、画像内の犬・猫・鳥を同時に合計10体まで認識できるほか、事前に画像を登録しておけば、個体認識によって「愛犬、愛猫、愛鳥のみを認識させる」ことも可能だ。その認識は横顔を基準に、組み込まれたデータベースとのマッチングによって行われる仕組みとなっており、「ペットとして飼育されている多くの種を認識できる」(デモ説明員)。しかし、同一色・同一犬種のなかから愛犬だけを識別するといった、差異の少ない対象群の中から特定の個体を認識することは、現時点では困難だという。
いわゆる顔検出技術は、「それが顔であるかどうか」を識別する「検出」と、「その顔がどのようものであるか」をデータベースとの照合で識別する「認証」の2フェーズを経て実際の機能として製品へ実装されるが、FaceUの強みは後者の認証精度にある。小さな顔や顔全体が写っていない場合でも高い確率で認証を行えるほか、人物の年齢変化にも強く、乳幼児など登録時より長時間が経過して容姿が変化した場合でも、個人認証を高い精度で行えるという。
FaceUは製品にあわせて必要な機能を組み合わせて組み込めるモジュール形式をとっており、また、最終製品の性格によって「認証速度優先」「認証制度優先」など求められるパラメータの調整に行えるため、CPUパワーの乏しい製品を含めてさまざまな機器への搭載が可能だ。
すでに新機能を追加したFaceUは出荷可能な状態となっており、今後は実装製品開発元との商談の時期となる。パナソニックシステムネットワークスでは、デジタルカメラやデジタルフォトフレームなどはもちろん、デジタルサイネージやゲーム機、携帯電話/スマートフォンなどへの導入を見込む。
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