インタビュー
» 2010年12月14日 09時06分 UPDATE

狙うは写真の原点――富士フイルム「FinePix X100」 (1/2)

富士フイルムが発表した、クラシカルなボディに最新技術を集結する高級コンパクトデジカメ「FinePix X100」。そのコンセプトを尋ねた。

[渡邊宏(撮影:矢野渉),ITmedia]

 富士フイルムが9月にドイツで行われた写真関連の総合展示会「フォトキナ」にて発表した高級コンパクトデジカメが「FinePix X100」だ。

 フィルムカメラを連想させるボディには、光学ビューファインダーと電子ビューファインダーのメリットを融合させた新システム「ハイブリッドビューファインダー」や新開発の23ミリ(35ミリ換算35ミリ相当)F2の“フジノン”レンズ、有効1230万画素のAPS-CサイズCMOSセンサー、同社最高画質を実現するという画像処理エンジン「EXRプロセッサー」といった最新技術を詰め込んでいる。

photo 「FinePix X100」(試作品)

 技術面、画質面についても興味の尽きないFinePix X100だが、まずはそのコンセプトを理解することが、製品の実像へ迫る最も有効な手段だろう。同社電子映像事業部 商品部 の担当課長 河原洋氏、河田円美氏に話を聞いた。

photophoto 電子映像事業部 商品部 担当課長 河原洋氏(写真=左)、河田円美氏(写真=右)

目指したのは「最高画質と小型化」

――FinePix X100は9月に発表されましたが、製品企画はいつごろ、どのような製品を作ろうという意図にてスタートしたのでしょうか。

河原氏: いわゆるフラグシップ製品は「FinePix S5 Pro」(2007年1月発売)から間隔が空いてしまっていましたが、「最高画質」をうたうカメラを作りたいとずっと考えていました。その技術ノウハウと信念はずっと蓄積してきたのです。

――ではなぜ、このタイミングで製品企画にGoサインが出たのでしょう。

河原氏: 会社としてはしばらくの間、一般のお客様へ向けて多くの製品を投入していくのを優先したミッションとしていましたが、2年ほど前よりデジカメ事業も回復の兆しが見えてきましたので、今度はブランドを確立するために「最高画質」をうたう製品を出したいと考えたのです。また、フラグシップを投入してそのほかの製品へさまざまな効果を波及させるためには、プレミアムコンパクトの存在が必要だという社内からの要望もありました。

――「最高画質カメラ」を作りたいという意図は分かりましたが、画質向上のためには、センサーの大型化やレンズ交換式といったさまざまなアプローチがあります。なぜFinePix X100はレンズ交換式ではないコンパクトデジカメというスタイルとなったのでしょう。

河原氏: これまで培ってきた技術の蓄積や社内のリソースを考えると、レンズ交換式ではないコンパクトタイプとして具体化するのが、最高画質を得るためにベストと判断したのです。フジノンとの共同作業がしやすかったというのもありますね(編注:「フジノン」ブランドの光学機器を製造するフジノンは2006年に富士フイルムの100%子会社となり、2010年7月付けで富士フイルムに統合されている)。

 もちろん最初はフルサイズセンサーの搭載やレンズ交換式といったアイディアもありましたが、「最高画質」「毎日持ち歩ける」「みんなが使える」といった製品の要件を明確にしていくうちに、レンズ、センサー、ファインダーと詳細が決まっていきました。

河田氏: 特徴的な技術や機構が多く搭載されていますが、コストを考えたらできなかったこともあります。一般に商品企画はコスト(売価)ありきで行われていくことが多いのですが、FinePix X100については「性能と品質に妥協をするな」というトップからの指示もありました。

 レンズについては、ズームレンズを採用するか否かという議論もありました。ですが、「高画質と小型化」その両方をどのように実現するかを考え、23ミリ(35ミリ換算35ミリ相当)/F2という仕様に落ち着きました。

 絞り値についてもF2とF1.8ではレンズ自体のサイズにかなりの差が出てしまいますし、センサーとのマッチングもあって開放値は2としました。それにF2からのスタートだと、F4〜5.6程度まで絞った時に最も解像感の高い絵になります。使用頻度の最も多いであろう絞り値での解像感を重視したというのも仕様決定の理由の1つです。

photo FinePix X100は23ミリ(35ミリ換算35ミリ相当)/F2のフジノンレンズを搭載する

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