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デジタルならではの「容赦なさ」が楽しい――ペンタックス「K-5」(3/5 ページ)

» 2010年12月15日 08時30分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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遊べるデジタルフィルター

 そして遊べるデジタルフィルター系。

 3種類のクロスプロセスフィルタとトイカメラ、レトロ、ハイコントラストなどのデジタルフィルターを搭載している。こういった各機能は、INFOボタンで呼び出して設定できるため手間がかからない。

photo 色抽出フィルタで赤だけを残してみた。135mm 1/320秒 F6.3 ISO640 太陽光
photophoto デジタルフィルタ設定画面。それぞれ強さをあれこれセット可能。AELボタンで保存もできる(写真=左)、カスタム設定は豊富で白熱灯下のAWBもここでセットする(写真=右)
photo クリスマスイルミネーションにトゥインクルフィルタをかけて星を出してみた。21mm 5秒 F16 ISO400 晴天
photo 同じカットにハイコントラストフィルタをかけてみた。夜空がぐっと締まって面白い写真になる。

 そして、すばらしいのが「最後に撮影した1枚」を電源を切るまでRAWデータのままバッファに保持してくれる機能を持つこと。まずバッファにRAWデータが残っていれば、あとからそれをRAWのまま保存することができる。普段はJPEGで撮り、「あ、これはよく撮れた」とか「あとでちゃんと絵作りしたい」と思ったらRAWでも保存しておける。これはいい。

photophoto ホワイトバランス設定画面。バッファに画像が残っていたらそれを見ながら色を調節できる。ここでAELボタンを押すとそのまま保存も可能(写真=左)、カスタムイメージ。ここで色を設定しつつ微調整もできる。AELボタンで保存もできる(写真=右)

 ホワイトバランスやカスタムイメージ、デジタルフィルターの3機能は、バッファに残ったデータを呼び出して設定の変化を確認できる。その上、設定を変えた写真を別途保存できるのだ。

 例えば、ヘンなホワイトバランスのまま撮っちゃって(前日に室内で撮った設定のまま翌日屋外で撮っちゃったとか……よくやります)、あっ、と思っても、その場で直してを保存できる。

 まずは普通に撮影して「これにあのフィルタをかけたら面白そうだな」と思ったらあとからかけて別途保存できる。設定を決めてから撮っても、撮ってから決めてもOKというのはデジタルならではだ。

 そんなわけで、ボディがしっかりしてて、カスタマイズの幅が広くて、操作系がなかなか快適で、デジタルならではのいろんな機能が詰まってるK-5。カメラとしてもよくできてるし、デジタル面でも面白い。

 多くの機能はK-7から受け継いだもので、K-7登場時のような驚きはないが、K-7と決定的に違うのは高感度時の絵。ISO3200あたりで比べると雲泥の差がある。高感度重視なら、K-7から買い換えるのも悪くなかろう。

 手持ちHDRの許容範囲や、ライブビュー時のAFなどに不満もあるし、デジタル系の機能はいらない人はいらないだろうけど、神経をとがらせなくてもきちんと水平を出してくれる自動水平機能や、ときどき遊びたくなるデジタルフィルタもなかなか楽しい。

 そんな魅力的な中級一眼レフである。

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