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第135回 デジ一眼とHD動画の関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/3 ページ)

» 2010年12月24日 11時00分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

ビデオ用三脚を用意するべし

 手軽に撮る、とはいえ、デジタル一眼で動画を撮るぞ、と思って出かけるときは三脚を用意したい。ずっと手で持って撮るのは疲れるし、ブレやすいし、大変である。

 注意すべきは「写真用三脚」と「ビデオ用三脚」は違うということ。三脚ごとそろえるのはちょっとなあ、という人もいるだろうから(わたしもそうだ)、もうちょっと手軽な線で行くと「写真用雲台」と「ビデオ用雲台」を交換して使うこと。

 雲台というのは三脚の上についている「カメラを固定する部分」のこと。1万円以上するそれなりの三脚は「雲台部分」を交換できる仕様になっているため、動画撮影用に雲台だけ用意すればいいのだ。

 写真用の雲台はさまざまな角度にカメラを向けて、撮影時にしっかり固定するのが目的。構図を決めたらぎゅっとネジを締めて固定して撮る。

 ビデオはそうはいかない。撮影しながらパンやティルト(つまりカメラを左右や上下に動かす)する必要があるからだ。固定しては具合が悪い。しかもカメラをなめらかに動かせるよう、レバーは長めで、可動部にオイルがはいっていてスムーズに動くよう設計されている。

 よって動画を撮るときはビデオ用雲台が欠かせないのだ。

photophoto これはGH2をお手軽なビデオ用雲台(ベルボン「FHD-52Q」)に装着し、軽量のコンパクトな三脚に載せた図。このクラスなら5〜6000円で買える

 プロが使うような本格的な雲台や三脚だと角度の微調整ができたりするが、大きくて重くて高価になる。手軽に楽しむならこのくらいの雲台があれば、あるいはこういう雲台を装備したビデオ用三脚があればいいだろう。

 もうひとつ用意したいのは編集ソフト。動画は編集するもの。凝ったことはしなくても、長めに撮って必要なところだけを取り出してつなぐだけでいい。冗長だと見てて飽きるから。カメラがAVCHD対応ならば、AVCHD対応のソフトは欠かせない。

 では撮影。

 動きのあるものを撮る場合、カメラは固定してポイントをしっかり見せる。写真を撮るときと同じだ。

 三脚&ビデオ用雲台を使い、「ダッチオーブン」を使ったアウトドア料理の様子を撮って編集してみた。

 前半と後半で出てくる鍋が違う、とかそういう突っ込みはご容赦ください。

 カメラはGH2。レンズは14-140mm。編集に使ったソフトはアップルの「iMovie 9.0」。このくらいなら10分もあれば編集できるのでたいした手間ではないのだ。

 長々とした料理風景もこんな風にポイントポイントを短くつなげばすっきり仕上がる。ちなみに、鶏だけじゃなくて野菜も旨かった。

 続いて同じ日に撮影した動き回る……いや飛び回るモノ。

 ひたすらビデオ用雲台にそなえつけたカメラを動かして追いかけております。

 相手はどこをどう飛ぶか分からないので、大変だけど、こういうのはカメラのAF性能と、見失わずに追いかける撮影能力が問われるといっていい。今回は編集なしで。

 ある程度予測して動きを追うのだけど、さすがに難しかった。

 このビデオは右手で雲台を操作、左手でズームリングを持ち、飛ぶ様子が分かるようにぐっと望遠で寄ってみたり、高さが分かるように広角で全体を入れてみたりしている。

 カメラはGH2。レンズは14-140mm。飛んでいるのは、iPhoneで操作できる4ローターヘリとして有名な「AR.Drone」。

 動いているものの次は、静止した風景をカメラを動かしながら撮ってみよう。

 左右にカメラを回転させながら広い範囲を撮るのがパン、下から上、あるいは上から下にカメラをふりながら撮るのがティルト。どちらも、カメラをゆっくり動かすことと、フィニッシュの位置を最初に決めてから撮るのがポイント。

 まずはパン。紅葉を撮りつつ噴水が右1/3くらいにはいったところでフィニッシュするというイメージで撮ってみた。

動画が取得できませんでした

 次はティルト。鉄塔の真下で、真上を(三脚の都合で完全な真上は向けなかったけれども)向いて少し回してフィニッシュというイメージで。

動画が取得できませんでした

 いずれにせよ、まずフィニッシュの位置にカメラをセットし、そこからスタート地点へカメラを戻して撮り始めるのがコツだ。

 このようになめらかに動かすには、ビデオ用雲台は便利。

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