わたしの記憶が確かならば1999〜2002年頃のことだったか。F1.8からはじまる3倍ズームという超明るいレンズを搭載したコンパクトデジカメがあった。オリンパスの「CAMEDIA C-2040 ZOOM」から「同 C-5050 ZOOM」と続いたシリーズである。この頃をピークに、コンパクトデジカメのレンズは広角化/高倍率化/小型低価格化の波に押されて、暗くなっていったのだ。
それが復活したのである。そのオリンパスがレンズ性能に磨きをかけて新しく投入したコンパクトデジカメが「OLYMPUS XZ-1」」。レンズには「i.ZUIKO」という同社の一眼と同じ「ZUIKO」の名を冠しており、28-112ミリ相当の広角系4倍ズームで、明るさはF1.8-2.5。注目は112ミリ相当のテレ端でもF2.5と明るさを保っていることだ。
キヤノン「Powershot S95」(レビュー)はワイド端こそF2.0だがテレ端ではF5.6と3段暗くなる。パナソニック「DMC-LX5」(レビュー)はかなりがんばっててテレ端(90ミリ相当)でもF3.3だが、F2.5にはかなわない。
レンズが明るいのであまり感度を上げなくても済むし、コンパクトデジカメにしてはボケを楽しめるというハイエンドらしい製品だ。
28ミリ相当でF1.8という明るいレンズの奥にはハイエンドコンデジならでは1/1.63型と大きな1000万画素CCDが鎮座する。非公表だが、パナソニックのLX5と同じものかと。だがLX5のウリである画角が変わらないマルチアスペクトには非対応なのはちょっと残念。まあ、DMC-LX5やPowershot S95/G12、ニコンのCOOLPIX P7000、リコーのGR DIGITAL IIIと同じクラスと思っていい。
レンズがウリなだけあって写りはさすが。F1.8という明るさを持ちながら周辺部のクオリティも保たれている。スーパーマクロモード(ワイド端固定)にすればレンズ前1センチまで寄れる。
通常のマクロモードではワイド端10センチ、テレ端30センチだ。まあこれはいいが、iAUTO以外のポジションでマクロモードにしない場合、60センチまでしか寄れない。近距離撮影をする人は普段からマクロモードにしておくとストレスがたまらない。マクロ時でも無限遠までピントがあうから。
また、NDフィルタを内蔵しているため、明るい場所で絞り開放で撮りたいとき、あるいはわざとシャッタースピードを落としたいときに使える。CCDが大きいだけあって高感度にも強く、ISO感度は6400まで対応だ。ただし、ISO3200に達すると画質がガクンと落ちる。高感度での撮影が多い人はこれを頭に入れておいた方がいい。
詳細はISO感度別作例で。
常用感度でのクオリティは非常に高い。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR