使用感もなかなかすばらしい。金属製ボディはシンプルだが質感があり、手触りもよい。背面の3型有機ELディスプレイがまたすばらしい。視野角は広く屋外でも見やすくクオリティも高いのだ。
操作系の特徴はレンズ周りの「コントロールリング」と円形十字キーの周辺に配された「コントロールダイヤル」だ。Powershot S95と同じアイデアと思っていい。ただ、S95はリングに割り当てる機能をカスタマイズできるが、XZ-1は撮影モードごとに機能が固定されている。S95の方が先行した分上か。
Pモード時はISO感度、絞り優先AEでは絞り、シャッタースピード優先AEではシャッタースピードが、アートフィルタやシーンモード時はそれらの切り替えに割り当てられている。常に現在のモードを意識しておかねば戸惑いそうだ。そのモードでよく使う機能はリングをカチカチと回し、それ以外は十字キーとコントロールダイヤルを併用して操作すると思えばいい。
撮影モードで注目したいのは2点。
ひとつはシーン自動認識オートの「iAUTO」。すべてカメラ任せのフルオートモードなのだが、このモードでは「ライブガイド」機能を使える。彩度・色合い(ホワイトバランス)・明るさ・背景のボケ(絞り値)の4つに関して、GUIで変化させられる。iAUTOでも気軽に写りをコントロールできるというこのアイデアは非常に便利なのだが、上記4つのうち「ひとつしか変えられない」のは残念。
もうひとつはPENシリーズでおなじみの「アートフィルタ」。コンパクトデジカメにははじめての搭載となる。アートフィルタは6種類用意されており、幻想的な写真を撮れる「ドラマチックトーン」も搭載。現在もっとも気軽に「アートフィルタ」を使えるデジカメであり、XZ-1を選ぶ動機付けになりそうだ。アート系のフィルタを搭載するデジカメは増えてきているが、それらと比べてもオリンパスのアートフィルタは個性的で実用的。つい使いたくなる。
XZ-1の特徴はいくつもあるが、大きなポイントはやはり「F1.8-2.5の明るい広角系ズームレンズ」と「アートフィルタ」になるだろう。
撮影性能を求める人には前者は大いに魅力的だ。デジタルならではの表現を求める人には後者が魅力的だ。試用していて不満に思ったのはISO3200以上時や、暗くて色温度が低い環境での写りくらいだ。
背面上部には「アクセサリーポート」も用意されており、PEN用アクセサリーのビューファインダー「VF-2」やマイクセット「SEMA-1」、フラッシュ「FL-14」、アームライト「MAL-1」などを装着できるのでシステムアップの楽しさもある。
同等クラスの競合機種はキヤノンのPowershot S95とパナソニックのDMC-LX5になるが、基本性能や拡張性、モノとしての質感を考えるとXZ-1は非常に魅力的に映る。ただ、両者に対してXZ-1の実売価格が6万円弱くらいと伝えられているので価格面で悩みそうだ。
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