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バリアングル対応の一眼レフ入門機――キヤノン「EOS Kiss X5」(2/3 ページ)

» 2011年02月25日 19時17分 公開
[鈴木吾郎,ITmedia]
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さらに強力になった全自動モード

 もうひとつの大きな改良は、オート撮影機能を強化したこと。ビギナー向けのシンプルな撮影モードである従来の「全自動」モードは、「シーンインテリジェントオート」モードという名称に変更され、撮影シーンの自動解析とフォーカス/露出/ホワイトバランス/オートライティングオプティマイザ/ピクチャースタイルの5つをカメラが制御することが可能となった。

 このモードの基本原理は、被写体の色やコントラスト、明るさ、被写体までの距離、動きと速さ、顔の有無などを総合的に解析し、その情報に基づいて、絞り値やシャッター速度、ピント、ホワイトバランス、発色などが自動的に最適設定されるというもの。最近のコンパクトデジカメではおなじみの、シーン自動認識モードの1種といっていい。

photophoto モードダイヤルから「シーンインテリジェントオート」を選択すると、その説明文が液晶モニターに表示される(写真=左)、ピクチャースタイル機能に新たに「オート」が追加。撮影シーンに応じて、色合いが自動的に調整される(写真=右)

 例えば、人物撮影なら肌が自然に見えるような色合いに、夕景ならオレンジ色がいっそう際立つように、それぞれ自動調整される。撮影者は設定のことをあれこれ悩まずに、構図やシャッターチャンスに気持ちを集中させて撮ることができる、というわけだ。

 下の2枚は、プログラムAEとシーンインテリジェントオートで同一のシーンを撮影した写真。プログラムAEのほうはノーマルな発色だが、シーンインテリジェントオートでは、被写体が風景であると判断され、青空や緑がより明るい色となり、全体のメリハリ感が高められていることが分かるだろう。

photo 撮影モード「プログラムAE」、ピクチャースタイル「スタンダード」で撮影
photo 撮影モード「シーンインテリジェントオート」、ピクチャースタイル「オート」で撮影

 発色傾向を変更するための機能「ピクチャースタイル」にも改良が加えられた。従来からある「スタンダード/ポートレート/風景/ニュートラル/忠実設定/モノクロ」のほかに、「オート」という項目が追加されたのだ。この「オート」を選択すれば、撮影シーンに応じて色あいを自動的に最適化することができる。また、前述したシーンインテリジェントオートモード使用時は、ピクチャースタイルは「オート」になる。

 すべてカメラまかせではなく、ある程度は自分の狙いを写真に反映させたい場合には、「表現セレクト」機能を使うのがいいだろう。これは、絞りや露出補正などの専門的なことを知らなくても「くっきり鮮やかに」や「ふんわりやわらかく」といったの項目を選ぶだけで、イメージに近い写真を撮影する機能。EOS 60Dから搭載されたものだ。

photophoto 表現セレクトは「くっきり鮮やかに」など9種類の雰囲気から選べる(写真=左)、表現セレクトの各項目は、その度合いを調整することもできる(写真=右)

 同じくEOS 60Dから継承した機能として、撮影後に画像を特殊加工を施す「クリエイティブフィルター」を搭載した。選べるフィルターは全部で5つ。高コントラストのモノトーン表現「ラフモノクロ」と、ぼかしを加える「ソフトフォーカス」、オモチャのカメラで撮影したような「トイカメラ風」、風景をミニチュア模型風に加工する「ジオラマ風」の4つはEOS 60Dに搭載されたアートフィルターと同じもので、さらに丸いゆがみを加える「魚眼風」が用意される。

photo クリエイティブフィルターの設定画面

 クリエイティブフィルターの使い方は、再生モードから効果を加えたい画像を選択し、4種類の効果を選んで処理を実行するだけ。元の画像を維持したまま、別画像として保存できる。

photophoto 元画像(写真=左)、クリエイティブフィルター「ラフモノクロ」を適用(写真=右)
photophoto 「ソフトフォーカス」適用(写真=左)、「魚眼風」適用(写真=右)
photophoto 「トイカメラ風」適用(写真=左)、「ジオラマ風」適用(写真=右)

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