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パッシブAFセンサーで高速AF リコー「CX5」(2/4 ページ)

» 2011年03月03日 16時14分 公開
[小山安博,ITmedia]
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「超解像」もある10.7倍ズーム

 レンズは35ミリ換算28〜300ミリ相当の10.7倍という高倍率ズームレンズ。最近こそ28ミリスタートのレンズは決して珍しくないが、使いやすい画角なので便利に使える。さらに画質劣化を抑えたデジタルズームが可能になる「超解像ズーム」機能を用意しており、これを利用すると600ミリ相当、最大21.4倍までの望遠撮影を行える。

photophotophoto 左からワイド端、テレ端、超解像ズームによる600ミリ相当。テレ端の10.7倍でもかなり寄れるが、超解像ズームを使うと、さらに倍率が上がり、遠くの被写体を撮るのに便利。画質の劣化も、我慢できないレベルではない

 超解像といってもあくまでデジタルズームであり画質の劣化は確かにあるが、等倍でなければそれなりに見られる画像にはなっている。超解像ズーム時は、画面左側のズームバーの表示が緑色に変わり、画面に「SR」の表示が現れる。光学ズームが10.7倍まで行くといったんズームが止まり、もう一度ズーム操作をするか、そのままズームレバーを押し続けると超解像ズームになる。

photophotophoto 「オートリサイズ」をすると、画面の中央部を切り出して擬似的にズームする(写真=左)、「通常」だと超解像ズームになり、左端のバーが光学ズーム範囲だと白、超解像ズーム範囲だと緑になる(写真=中)、デジタルズーム切り替えの設定画面。ここで「通常」にすると超解像ズーム、「オートリサイズ」だと通常のデジタルズーム(写真=右)

 画面の中央部分を切り出すことで擬似的なズームを行う、いわゆる通常のデジタルズームも用意されている。超解像とデジタルズームは排他利用であり、なおかつ、双方をオフにすることはできない。デジタルズームを利用しない場合には注意が必要。

 手ブレ補正にはセンサーシフト方式を採用。シャッターボタンを押した瞬間に動作するため、10.7倍までズームすると画面のブレは大きく、テレ端では構図合わせに少し苦労する。手ブレ補正の精度としては標準的という印象だ。セットアップメニューから手ブレ補正のオン・オフの切替はできるが、基本的にはオンのままでいいだろう。

解像感を高める超解像

 新機能として搭載されたのが「超解像技術」だ。これを使うと、よりシャープな画像を得られる。単にシャープネスをかけるわけではなく、ディテールやグラデーションを自動的に見分けて、最適な処理を行うという。

 撮影設定の「超解像」からOFF/弱/強の3段階で設定でき、超解像をオンにすると画面上に「SR」のマークが常時表示されるようになる。超解像を利用する場合は記録時間が長くなるようだが、通常の撮影ではあまり影響は感じなかった。特に「弱」に設定していればほとんど気にならない。

photophotophoto 超解像の適用例。左からオフ、弱、強の順で、強までいくと不自然なぐらいになってしまう

 超解像を選択すると、画像がよりくっきり、シャープに写るため、見栄えが向上する。解像感が向上し、よりはっきりとした描写になる。ノイズが強調されたり、背景のボケが固くなるなどの影響もあるため、基本的には「弱」が良さそうな印象。たいていのシーンでオンにしておいても問題なさそうだ。超解像を使った場合、ノイズリダクションがAUTO固定になるほかは、通常の撮影と同じように設定も変更できる。

 そのノイズリダクションは、前モデルと同様にOFF/AUTO/弱/強/MAXの5段階から選択できる。強力になるについてノイズは減るが解像感は失われ、絵画のような描写になってしまう。MAXだと過剰な印象で、ノイズ低減と解像感喪失のバランスがいいのはAUTO。基本的にはAUTOのままで良さそうだ。

photophotophoto ノイズリダクション「なし」。左からISO800/1600/3200
photophotophoto ノイズリダクション「AUTO」。左からISO800/1600/3200

 ノイズそのものはISO800までは常用できるレベルで、ISO1600からは画像の荒れが目立ち、解像感も失われるが、シーンによっては十分有効。ISO3200までくると画像の荒れは大きくなるが、コンパクトデジカメのISO3200としては少ない方だろうし、つぶつぶの嫌な感じはあまり受けない。

 ISO AUTO時の上限設定も可能で、ISO200/400/800/1600/3200の中から、どこまで感度を上げるか設定できる。ISO AUTO時には積極的にISO感度が上がり、手ブレ、被写体ブレを防ぐ方向でシャッタースピードを上げてくれる。そのため、ISO1405などといったように中途半端な値になるが、ブレを許容するかノイズを許容するかで、ISO AUTOとISO固定を選択すればいいだろう。かなり早い段階で最高感度まで上がるので、ノイズを避けたい場合は自分で低感度の指定をするといいだろう。

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