レビュー
» 2011年03月15日 11時31分 UPDATE

旅行用高倍率ズーム機の本命かも キヤノン「Powershot SX230 HS」 (1/4)

キヤノンのコンデジラインアップで弱かったのが、コンパクト系高倍率ズーム、いわゆる旅デジカメだが、GPSに加えて後からの見直しが楽しい「ムービーダイジェスト」を備えた「Powershot SX230 HS」の登場でそれも変わりそうだ。

[荻窪圭,ITmedia]

 コンパクトデジカメ界のトップランナーといえばまごうことなくキヤノンであり、常にトップシェアを争っているのは周知の通り。じゃあキヤノンの代表モデルはというと、IXYシリーズで(カメラ好きにはPowershot S95かな)、主力は広角系のコンパクトズーム機で、ここ2〜3年、各社が力を入れてきたコンパクト系高倍率ズーム(パナソニックの「DMC-TZ20」、ソニーの「DSC-HX7V」のような、いわゆる旅デジカメ)は弱かった。

photo 「Powershot SX230 HS」を正面から。ストロボは必ずポップアップするが手でしまってしまえばOK。シンプル、かつ、ややレトロなデザインがよい

 でもそれも変わるかもしれない。「Powershot SX230 HS」(以下 SX230 HS)がなかなか魅力的な仕上がりになったからだ。前モデルのSX210 IS(レビュー)はズームレバーが固くて指が痛いとか、機能面での魅力に欠けるなどいまひとつだったが、SX230 HSは見た目以上に魅力的なカメラに進化したのだ。

望遠に強い14倍ズームと裏面照射型CMOSセンサー

 SX230 HSは14倍ズームレンズを搭載したコンパクト高倍率ズーム機。28ミリ相当スタートと他社の高倍率モデルに比べやや広角側が弱いが、その分、望遠側は392ミリ相当のクラス最望遠となっており、望遠側を重視したい人にうれしいスペックとなっている。レンズの明るさはF3.1-5.9。最短撮影距離は広角端で5センチで、望遠側にいくと徐々に長くなる。

 レンズスペックは前モデルと同じだが、撮像素子は一新された。1210万画素の裏面照射型CMOSセンサーを採用したのだ。前モデルが1400万画素CCDだったので画素数は減ったが、高感度や連写に強いというメリットの方が大きく、ここは進化である。ISO感度も最高ISO3200までいけるし、オートでもISO1600まであがるので室内でも気軽に使えるのはいい。

 では使ってみる。

 基本カラー(ブラック、レッド、ブルーの3色)にシルバーの肩が丸いフレームをかぶせたボディはちょっとレトロっぽくもある大人なデザイン。シンプルでありながら個性的で作りもしっかりしており、個人的にはすごくよいデザインだと思う。

 前モデルと変わったのはシャッターボタンまわり。ズームレバーがシャッターボタンと一体化したIXYなどと同じデザインになった。シャッターの隣には少し盛り上がったGPSユニット。これも特徴のひとつだ。電源スイッチを入れるとレンズとストロボが出てくる。ストロボは勝手にポップアップするが、いらなかったら手で押し込んでよし。すると発光禁止に切り替わる。

photophoto シンプルなボディにシルバーのフレームがアクセントになっているPowershot SX230HS。作りもしっかりしている(写真=左)、電源オフ時。ボディは薄いがレンズ部が少し飛び出ている。レンズは28ミリ相当からの14倍ズームで望遠に強い(写真=右)
photo 前モデル(SX210IS)と比較。基本デザインは継承するもののシャッターボタン周りが大きく変化したのが分かる。SX210ISハズームレバーが角張ってて指が痛かったけど、SX230HSは普通のデザインになり使いやすくなった。撮影モードにも違いが見て取れる

 背面の液晶ディスプレイは横長の16:9。HD動画時はフルスクリーンに、静止画時は左右の空いたスペースに撮影情報が表示される仕組みだ。動画はフルHDが撮影可能になったほか、高速撮影が可能なCMOSセンサーならではのハイスピード動画も可能だ。

 撮影モードは背面にあるモードダイヤルで切り替える。その撮影モードには、個性も表れる。Powershot系はIXYに比べて選択肢も豊富で、マニュアル系の撮影モードも豊富。AUTOモードはシーン自動認識の「こだわりオート」。判別するシーンの数は全部で32に増えた。

photo 上面から。少し盛り上がったGPS部が特徴
photo 背面から。ディスプレイは16:9のワイド液晶。撮影モードダイヤルはやや堅め。円形十字キーの周りはロータリーダイヤルになっており、細かい操作をさっとできて便利だ

 おもしろいのは人間以外の動く被写体(ペットとか)にも反応して追尾AFが働くことと、部分的に明るいシーンで働くスポットライトモードがあること。自動追尾が働いたときはフォーカス枠が青くなるのですぐ分かる。これはなかなかよい。

 AUTO時は「i-コントラスト」が自動的に働き、ハイライト部を抑えたりシャドウ部を持ち上げたりしてくれる。ただ、シャドウ部が強めに持ち上がる傾向があり、要注意ってところか。AUTO以外のモードではメニューからオフと自動が選べる。

 で、注目すべき撮影モードはふたつ。ひとつは「クリエイティブフィルター」モード。トイカメラ風、ジオラマ、魚眼、極彩色、オールドポスターなど特殊フィルタを楽しめる。いわゆる「アートフィルタ系」機能だ。

 もうひとつは「ムービーダイジェスト」モードだ。

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