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旅行用高倍率ズーム機の本命かも キヤノン「Powershot SX230 HS」(2/4 ページ)

» 2011年03月15日 11時31分 公開
[荻窪圭,ITmedia]
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ムービーダイジェストとGPSに要注目

 SX230 HSは「旅行向けカメラ」という位置づけであり、これは旅行にいい、って機能がふたつある。「ムービーダイジェスト」と「GPS」だ。

 ムービーダイジェストは斬新にして画期的。これにして撮影すると、シャッターを押す寸前の約4秒分の動画を裏で蓄積していってくれるのである。そして、最終的に、1日に1本の動画が作られる。

 例えば、写真を1日に10枚撮ると、10個のショートショート動画がつながった1本の動画ファイルができあがるのだ。まさに「その日にこの目が気になったもの動画」である。旅行にでかけて普通に写真を撮って回るだけで、動画も一緒についてくるのだ。これは楽しい。

photophoto ムービーダイジェストモードで撮影した写真から2枚。ムービーダイジェスト時はプログラムオートと同等の扱いになるようで、露出補正やISO感度設定などが効く

 自動的に作られるのもよいし、1シーンにつき最長4秒なので意外に飽きずに見られるのもよいし、動画はVGAサイズ&H.264なのでファイルサイズがおさえられるのもよい。

 難点があるとすれば、「ムービーダイジェストモード」時しか使えないこと。ダイジェスト動画を残したいときだけ撮影モードを変えるというのもちょっと面倒くさい。ちなみに、ムービーダイジェストモード時の撮影機能はプログラムオート時と同様なので、普段はこのモードにしてダイジェスト動画も撮りまくる、というのはありかも。

 どのモードでもムービーダイジェストが残せるようにし、あとから「ダイジェストから不要なカットを簡単に」削除できたらもっと楽しめる機能になるかと思う。

photophoto ズームレバーを操作するとズーム位置と撮影最短距離が表示されるので便利。右上のアイコンは撮影モードを表すが、AUTO時はカメラが認識したシーンがここに表示される(写真=左)、センターキー(FUNC/SETボタン)を押すとFUNCメニューが表示される。ここでISO感度やホワイトバランス、シーンモードなら撮影シーンなど、撮影モードに応じた項目を調整できる(写真=右)

 続いて、各社がこぞって採用し始めた「GPS」。

 SX230 HSのGPS機能はGPSロガー機能をオンにすると電源オフ時も定期的に測位し続けてくれる本格的なもの。最初の測位こそ時間がかかるが、一度現在地を捕まえてしまえば、次からは数秒。構図を考えてる間に現在地も取得できるというレベルで、これはすばらしい。

 測位した現在地は写真に位置情報として書き込まれるが、室内など電波が入らないときはあっさり空欄になる。ちょっと残念。電源オフ時の測位頻度は非公開ということだが、ログファイルをチェックしたところ、かなり細かく位置情報を取得してた。1〜3分に1回くらいだ。

 その分、細かく取得することによる副作用がある。バッテリの持ちである。「GPSロガー」機能をオンにしておくと撮影をあまりしなくても24時間持たないのだ。朝、フル充電のバッテリをセットすればやっと1日持つというレベル。だからバッテリはでかける直前にセットすることと、遠出するなら予備バッテリや充電器は欠かせないというレベル。

photophoto MENUでは詳細な設定が可能(写真=左)、GPSの設定もメニューから行う。ロガーをオンにすると電源オフ時もGPSが働くのでその分バッテリ消費が増える(写真=右)

 でもこのGPS機能は非常に優秀なので、使わないのはもったいない。普段はオフでも、目的地についたら忘れずにGPSロガーをオンにして位置情報を取得するまでちょっと待ち、あとはそのまま運用、が一番いいかと思う。

 そういう意味で、GPSロガー機能のオンオフがもっと切り替えやすいところに欲しかったか。GPSログの拡張子は「.log」でデータ形式はNMEA。手元にあるGPS対応ソフトでは「ソニー LOG形式」にすれば読み込めた。

photo GPSロガー機能でとったログをKML形式に変換し、GoogleMapに表示してみた。2カ所ほど不自然にジャンプしているのはまあよくあること。これを見るとかなり細かく測位しているのが分かる。ロガーとしても十分使える測位間隔だ

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