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高倍率ズームと1000枚撮影可能な省電力性 カシオ「EXILIM EX-H30」(1/4 ページ)

» 2011年03月18日 12時34分 公開
[小山安博,ITmedia]
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手軽に広角・高倍率が楽しめる

 デジカメの利用シーンはたくさんあるが、旅行で見た風景、建物、食事など、普段の生活では見られない光景を撮影するという用途で使う人は多いだろう。とにかく画質にこだわるならばデジタル一眼を持ち出し、シーンに応じてレンズを交換するのがいい。しかし、より気軽に撮影したい、素早く撮影したいという用途であれば、コンパクトデジカメの方が適している場合も多い。

 そんな要望に応えられるのがカシオ計算機の「EXILIM EX-H30」だ。本体サイズは104.8(幅)×59.1(高さ)×24.2(奥行き 最薄部)、撮影時重量は約201グラムで、カードサイズとはいわないが、ポケットにもすっぽり収まるサイズで、持ち歩きも容易だ。

photophotophoto 「EXILIM EX-H30」 デザインは一般的でシンプル。このサイズで光学12.5倍ズームレンズを搭載する
photophotophoto ワイド端からテレ端までズーミングすると、それなりにレンズの繰り出しはある。ただそれでも十分コンパクトだ(写真=左、中)、レンズは非球面レンズを含む8群9枚構成で、F値はF3.0〜F5.9(写真=右)

 レンズは35ミリ換算24〜300ミリ相当という光学12.5倍ズームを搭載しており、広角から望遠までをこれ1台でカバーできる。今はレンズ交換式カメラでも、高倍率ズームレンズを利用すれば同程度の撮影は可能だが、手のひらに収まるレベルのコンパクトサイズで利用できるというのがポイントだ。サブカメラとしても便利で、レンズ交換式カメラで超広角レンズや単焦点レンズを使い、それで撮影できない望遠撮影をEX-H30に任せる、といった使い分けをしても便利だ。

photo 画面下のズームバーにある緑の三角形の部分が光学ズームとプレミアムズームの境目で、その後にある赤い線がプレミアムズームと通常のデジタルズームの境目

 通常の光学ズームに加え、EX-H30には光学ズームのテレ端からさらに約1.5倍までズームできる「プレミアムズーム」機能も搭載する。機能としてはデジタルズームだが、超解像技術を使うことで、画質劣化が少ない形で18.8倍までのズーミングを可能にした。実際に試してみても、画質劣化はそれほど目立たず、常用できるレベルに仕上がっている。ボディをコンパクトにしながらより高倍率化できる意味で便利な機能だ。また、さらに通常の(超解像のない)デジタルズームも用意されており、こちらまで併用すれば画像はVGAサイズまで小さくなるが199.3倍までのズームを行える。

 高倍率ズームで問題となる手ブレに関しては、CCDシフト方式の手ブレ補正機能を搭載しており、効きは十分だ。ただ、特にプレミアムズームやデジタルズーム時に画面上で手ブレ補正効果が現れるわけではないので、撮影時の構図合わせで少し苦労するし、高倍率ゆえに手ブレしやすくなる。この辺りは三脚を使ったり、シャッタースピードを上げるなどして工夫する必要がありそうだ。

photophoto 96ミリ相当(写真=左)、右はテレ端となる300ミリ相当(写真=右)
photophoto テレ端から超解像ズーム(写真=左)、さらにデジタルズーム(写真=右)

 ハイビジョン動画撮影機能も搭載しており、背面の動画ボタンを押すだけで1280×720ピクセル/24fpsの動画撮影が行える。動画撮影中のズーミングも可能で、高倍率ズームを使った動画撮影もできる。ただし、動画撮影中のプレミアムズームは使えないようだ。

旅行中も充電不要のバッテリ寿命

 レンズとともに注目は、公称で撮影可能枚数1000枚という長寿命だ。CIPA(カメラ映像機器工業会)が規定する温度23度、液晶モニターオン、30秒ごとにズームのワイド端とテレ端で撮影、2回に1回のフラッシュ撮影、10回の撮影ごとに電源オン・オフするという条件下では、1回の充電で1000枚も撮影できるという。

 公称では、最大画素&最高画質で1Gバイトに付き約90枚撮影できるとなっており、単純計算では11Gバイト分以上の画像が1回の充電で撮影できることになる。プロの撮影旅行でもない限り、通常、1回の旅行でこれだけの撮影をする場合はあまりないだろう。

photo 本体上部。一番左側にあるボタンがECOモードボタン

 実際、1週間ほどの出張でEX-H30を使ったところ、600枚以上を撮ってなおバッテリ残量は1メモリ残っていた。後述する撮影機能「プレミアムオート」を使うとバッテリ消費が早くなるということで、これを含めてテストのためにさまざまな操作を行っていたから、通常の撮影であれば1000枚のバッテリ寿命というのは大げさではなさそうだ。本体上部には液晶輝度を下げるなどして省電力化する「ECO」モードボタンを装備しており、バッテリ寿命が心配になったらECOモードに変更すれば良さそうだ。

 撮影中にバッテリ切れになるよりはこまめな充電をした方がいいが、ここまで長寿命だと、一度充電を忘れたぐらいでは問題にならない。頻繁な充電でバッテリの劣化を防ぐという意味でも便利だろう。

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