　各種の便利な撮影機能も備えている。撮影時に便利なのが、従来よりもさらに高速なワイド端で最速0.13秒という高速AF。実際に試してもワイド端のAFはほとんどストレスを感じない。コントラストAFとはいえ、とっさの撮影でもシャッターチャンスを逃す確率が減りそうだ。テレ端に関しても、コントラストAFが苦手な被写体をのぞけば、素早いAFが可能だった。

　前述の「プレミアムオート」は、カメラが被写体の状況を判断して、自動で最適な設定で撮影してくれる機能。夜景や逆光、青空、風景の緑、夕景などのシーンに加え、顔があるかどうか、被写体が動いているかどうか、三脚を使っているかどうかなど、複数の要素からカメラが最適な設定に変更してくれる。

プレミアムオートモードに設定すると、画面上に「P」の文字が現れる。人物の顔がある場合、自動的に人物モードになって顔検出が働き、テーブルに置いているので三脚に設置していると判断された。顔検出枠の左上に星マークがあるのは、人物メイクアップ機能がオンになっていることを示している

　プレミアムオートを利用するには、モードダイヤルでモードを切り替えてカメラを被写体に向けるだけ。シャッターボタン半押しをしなくても被写体を推定してAF枠を表示するインテリジェントAFが自動的に働き、人物の顔があれば「人物メイクアップ」、青空があれば青空検出、逆光ならば逆光補正、被写体が近ければマクロオンなど、本来は手動で設定しなければいけない機能が自動的に働き、より最適な写真が撮影できるようになる。通常はインテリジェントAF、被写体が動いているとAFが追従するコンティニュアスAFになるといった、その都度変更するのが面倒な設定も自動で変わるのがありがたい。

自動で各種設定を変更してくれるので、SETボタンを押したときに表示される設定項目は最小限（写真＝左）。通常のオートモードでの設定項目。この辺りのUIは従来通り（写真＝中）、オートモードでも風景や人物のメイクアップ機能は選択できるが、いちいち設定しなくても使えるのがプレミアムモードの利点（写真＝右）

左が通常のオートモード、右がプレミアムオートでの撮影。より青空の色が濃くなり、白っぽくなっていたサグラダ・ファミリアの壁の露出が最適化されている

　風景メイクアップや人物メイクアップなど、画像補正が働く場合もあって、その分撮影間隔が長くなったり、バッテリ寿命が短くなったりといった課題もあるが、バッテリ寿命に関してはもともとが長寿命だし、実際に使った限りは極端に短寿命化するわけでもないので、目くじらを立てるほどではなさそうだ。

　それに比べると、いちいちマクロを設定しなくていい、青空を強調してより見栄えのいい写真にしてくれる、夜景や夕景時のホワイトバランスやISO感度の設定など、とっさには変更しづらい設定も、自動で変更してくれるので、初心者だけでなく、とっさのシーンでも最適な撮影ができるので便利な機能となっている。モードを切り替えるだけなので、連写が必要な場合は通常モード、普段はプレミアムオートという使い分けをしても良さそうだ。