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軽快さが魅力のエントリーモデル キヤノン「EOS Kiss X50」(1/3 ページ)

» 2011年03月29日 11時20分 公開
[渡邊宏,ITmedia]
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 キヤノン「EOS Kiss X50」(以下X50)は同社一眼レフでエントリー向けとなるEOS Kissシリーズのなかでも、ローエンドの役割を担う製品。特にコンパクトデジカメからステップアップする層を対象としており、レンズキットで6万円前後(ワンランク上のEOS Kiss X5のレンズキットは10万円前後。いずれも発表時の実売想定価格)と価格も低く抑えられている。

photo 「EOS Kiss X50」(レッド)

 外観は既存EOS Kissシリーズと大きく変わらず、コロンとしたフォルム。同時期に発表されたEOS Kiss X5に比べると、背面のボタンレイアウトはやや異なっており、EOS Kiss X5では液晶左上に用意されている「MENU」はボタンは十字キー左下に、ファインダー右のライブビュー/動画ボタンは液晶右側に移動している。そのほか再生ボタンやストロボオープンのボタンも移動している。

 ボディカラーの「レッド」は深みのある赤で、単純な赤というよりワインレッドや小豆色といった方が近い印象。背面の液晶周りやモードダイヤル、ストロボボタンはボディ本体よりさらに一段深い色のパーツが採用されている。付属レンズが従来通りのブラックのみなのはいささか残念だが、利用者の拡大で一眼レフにもカラーバリエーションが受け入れられる余地があるのは周知の通りであり、多色展開はこの後も継続して欲しいところでもある。

photophotophoto 背面(写真=左)、左右側面(写真=中、右)
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 撮像素子はAPS-Cサイズ 有効約1220万画素CMOSセンサーで、画像処理エンジン「DiGiC 4」を組み合わせる。単純に画素数だけを比較すればEOS Kiss X5(APS-Cサイズ 有効1800万画素)に比べて見劣りしてしまうが、1200万画素あればA3ノビの印刷にも十分耐えられるほか、同サイズで画素数が少ないと言うことはその分だけ1画素あたりの有効面積が広いということでもあり、一概にスペックダウンとは言いにくいところでもある。なおISO感度はオート撮影時での上限がISO3200、マニュアル撮影時ではISO6400まで上げることができる。

 背面液晶は2.7型/23万画素と、コンパクトデジカメですら3型/92万画素などといった大型高精細化液晶の採用が進むなかでは見劣りしてしまう。EOS Kiss X5との差別化(EOS Kiss X5はバリアングルの3型ワイド/104万画素)もあるのだろうが、撮影画像を背面液晶で見る機会の多い層を対象とするだけに、もう少し大画面/高精細の液晶を搭載して欲しかったところだ。

photo レッドとブラックを並べて
photo レンズはいずれも「EF 50mm F1.8 II」。コロンとした丸みのあるボディにこのレンズはよく似合うと思う

 レッドとブラック、いずれもグリップにシボ加工はされておらず、フォルムと相まって全体的につるりとした印象だが、構えたときのホールド感は悪くない。ボディ単体では約495グラムと軽量なこともあって、ストラップを首や肩にかけずにいても右手一本で軽快に撮影を続けられる。

撮影機能は上位機譲り

 撮影機能については多くをEOS Kiss X5を踏襲しており、「くっきり鮮やかに」「ふんわりやわらかく」などの項目を選択するだけで、言葉のイメージに近い設定をカメラが自動的に施してくれる「表現セレクト」機能や、コントラストAFが作動する「ライブモード」と「顔優先ライブモード」、位相差AFが作動する「クイックモード」と3モードのライブビュー撮影モードなどを備える。

photophotophoto クリエリティブ全自動(モードダイヤルは「CA」)で「Q」ボタンを押したところ(写真=左)、CA以外の撮影モードモードでも表現セレクトは利用できる。写真はモードダイヤル「ポートレート」で「Q」ボタンを押して表現セレクト機能を利用するところ(写真=中、右)
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