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「COOLPIX P300」第1回――P300?S95? 僕がP300を選んだワケ長期試用リポート

» 2011年04月05日 10時30分 公開
[岡本紳吾,YAMAAN!]
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 皆さんはカメラを選ぶとき、どういった機能を重視するのだろうか。

 筆者はもうかれこれ5年以上、ニコンのデジタル一眼レフ「D2X」を使い続けている。画素数は有効1240万画素と必要十分だし、故障もないので特に買い換えないまま使って来ているのだが、こういった大きなカメラを普段持ち歩くのは大変なので、普段使いとしてコンパクトカメラが欲しくなっていた。

 実は筆者がカメラを買うのはいつも唐突だ。たいていの人なら量販店へ足を運び、実際に操作し、カタログを手にし、Webサイトなどでユーザーの声を収集してどのカメラが自分にマッチしているかを検討すると思う。筆者の場合、検討に検討を重ねるとどうしても途中で面倒になってしまい買わなくなってしまうのだ。

photo 「COOLPIX P300」

 今回はたまたまカメラ売り場に立ち寄ったとき、このカメラを手に取った。それが「COOLPIX P300」(レビュー:開放F1.8レンズを誰でも活用できるコンパクト ニコン「COOLPIX P300」)だった。

 筆者はいわゆるニコン派だ。しかしながらCOOLPIX Pシリーズの意味すら知らなかった。PはPerformanceを意味するのだそうだ。片手にすっぽり収まるコンパクトさ、電源ボタンを押すとレンズがスッと伸び、あっという間に撮影スタンバイとなる。スイッチ類を操作し、その場で数枚撮影をしてみた。キビキビとした操作性、デザインも気に入ったし価格も4万円を切っていた。

 すぐさま右手を挙げ声高らかに「これください!」コールをしたいところだったが、実は気になっているコンパクトカメラがもう1台存在していた。それがキヤノンの「PowerShot S95」だった(レビュー:カスタマイズ性とサイズ感の両立――キヤノン「PowerShot S95」)

 知人が最近このカメラを手にし、高感度域を活用した写真をFlickrなどにアップしているのを、筆者は何度か見せつけられては何度か買いそうになっていたのだ。価格的に大きな差はなく、強いて言えば、発売時期が異なっていてP300の方が新しいのだな、という認識でいた。

photophoto 左が「COOLPIX P300」、右が「PowerShot S95」

 そのPowerShot S95も店頭で触ってみたが、どうもしっくり来ない。鏡胴の付け根部分を回転させて露出などの設定をコントロールできるというギミックは大変感動したし、高感度域の描写も非常に気に入っていた。しっくりこないというのは、筆者との相性の問題にあるのだろか。一旦帰宅して検討することにした。

 P300にしろS95にしろ、買うには理由がいる。少なくとも、自分自身を納得させるだけの理由が。

 筆者は山岳関係の撮影や取材を頻繁に行っていて、D2Xだとその重さ(バッテリーやレンズを除いても1キログラム以上ある)にとても苦労をしていたところだった。また、山は夜は本当に真っ暗になってしまい、ごくわずかな光で撮影をする必要が出てくる。さすがに5年以上前のデジタルカメラでは高感度域での画質はいいとは思えず、高感度域に強いサブカメラが必要だと常々感じていた。

 急いでいるときでもサッと撮影できるスピード感も重要だろう。どうしても撮影しながら山登りをすると、時間がかかってしまうのだ。

 筆者の考えはまとまった。重視するのはまず、高感度域の性能。そして操作のタイムラグが少ないことだ。

 再び店に戻りまずはP300を操作してみる。ポケットから出す、電源を入れる、構図を合わせる、撮る、電源を切る、しまう。その一連の動作がスムーズに行える事を確認。同じ操作をS95でやってみようと展示機を見に行ったところ、別のお客さんが熱心にS95を触っていた。なかなか順番がこなかったので、高感度域での性能は互角としても、この操作感はP300の方が勝っているのだろう(ニコン派だし)という結論で自分を押し切り、晴れてP300の前で「これください!」コールをして購入と相成った。

 思えばここまでしっかり考えてカメラを買ったのは、かなり久しぶりだった。最後はちょっと運命的(というか感覚的だろうか)だったとはいえ、ここまで悩み抜いて買ったカメラを早速、山に持って行ってみることにした。

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