今春は各社からGPS搭載デジカメが登場しているが、2月に開催されたCP+の会場で影も形もなかったのでオリンパスは出遅れたかな、と思ってたら、しばらくしてさらっと発表されたのが「OLYMPUS Tough TG-810」(以下 TG-810)だ。
防水・防じん・耐寒・耐衝撃のゴツいボディに、GPSと電子コンパスと気圧計を内蔵した、いわば2011年型アウトドアデジカメだ。
TG-810は同社のToughシリーズ最上位モデルだけあって、防水は水深10メートルまで、寒いところではマイナス10度で、さらに耐衝撃は高さ2メートルからの落下に耐えると、かなりのタフっぷりだ。
そのかわり、ボディはゴツい。屈曲光学系レンズを採用しているので薄くて四角いのだが、全体に角張っててゴツゴツしているのだ。特に右手側が角張ってて、素手で強くグリップするとちょっと痛い。
各種操作系はすべて背面にあるが、ズームレバーは押し心地がいまひとつだし、十字キーじゃなくて、短いレバーを倒すいわゆるジョイスティックなのも慣れないと操作しづらく、ときどき思わぬ方に動いてしまう。
ただ、視点を変えると話は違ってくる。グローブをしてると十字キーよりスティックの方が間違えないし、ズームレバーもシーソーのように指を置いたまま力加減で操作できる方がいいのだ。
グローブをしたままで使える操作系を目指したのだろう。再生ボタンは小さくて押しづらいが、そこはタップコントロールを使えばいい。本体上部を2回叩くと撮影と再生が切り替わる。さらに本体の上下左右それぞれを叩くことで十字キー的操作もできるほか、再生時は傾けることでサムネイルのスクロールも可能だ。
ボディのゴツさもグローブをしてれば気にならない。TG-810は「プロフェッショナルタフ」と称しているけれども、「アウトドアでも」使えるデジカメじゃなくて、「アウトドアで」使うデジカメなのだ。そう考えよう。
アウトドア系で新しい機能はGPSと電子コンパス、それに気圧センサー。画面に緯度経度やランドマーク、撮影方向、気圧を表示し、写真に記録できる。
GPSは電源オフ時にも測位してくれるので、うまくいけば、電源オンにして10数秒ですぐ現在地を捕捉してくれる。ただ、測位には(他社GPS搭載デジカメと比べても)時間がかかり、うまくいくことは少なかった。これは残念な点だ。
これらのアウトドア系センサーは独立して使うこともできる。
まずは電子コンパス。電源オフ時に「?」ボタンを押すと、電子コンパス画面になる。そこにはコンパスのほか、現在日時、気圧、緯度経度などが表示されるのでちょっとした現在地確認に便利だ。
電源オン時はジョイスティックを長押しすることでこの画面になる。電源オン時はその場で更新できたり、ジョイスティックで近くにあるランドマークの情報を見られるなどちょっと高機能。
さらに電源オン時でもオフ時でも「?」を長押しすることで前面のLEDライトを点灯させることができる。明るくはないけど、マクロ撮影の補助光としても、ちょっと手元を照らすのにも使える。
USBでの充電が可能なのもよい。バッテリーをいちいち出さなくても済むし、AC電源がない場所で使うときもUSB出力持つ外部バッテリ(エネループモバイルブースターなど)があれば充電できるからだ。
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