カードタイプのコンパクトデジカメですら10倍越え光学ズームを搭載することが珍しくなくなった昨今だが、ソニーの“サイバーショット”「DSC-HX100V」は30倍という強烈なズームレンズを搭載しながらも片手で取回せる利便性の高さがポイントだ。
しっかりとしたグリップを有した一眼レフっぽいボディデザインだけれども、レンズ交換は行えず、高倍率のズームレンズを搭載する、いわゆる「ネオ一眼」と呼ばれる製品ジャンルがある。パナソニックで言えば「DMC-FZ100」、富士フイルムで言えば「FinePix HS20EXR/HS10/S3200/S2800HD」、キヤノンで言えば「PowerShot SX30 IS/SX1 IS」、そして今回取りあげるソニー「DSC-HX100V」などが該当するだろうか。
一昔前ならば、コンパクトデジカメは3〜5倍ズーム、これらネオ一眼は10倍ズーム程度と住み分けがなされていたが、カードタイプのコンパクトデジカメですら10倍越えのズーム倍率が当たり前になった今では、コンパクトタイプが10倍程度、ネオ一眼タイプならば本製品のように30倍ズーム程度をその守備範囲としている。
DSC-HX100Vのレンズ焦点距離は35ミリ換算27〜810ミリで、開放F値はF2.8-5.6。プロ向けの超望遠レンズですら800ミリを越えるような製品は数少なく、しかも高価であることを考えると、すごい時代になったものだと感じてしまう。最短撮影距離はワイド端で1センチ、テレ端で2メートル。マクロモードなどへ切り替えることなく、これだけの距離をシームレスに撮影できる(※初出時、テレ端の数値に誤りがありましたので、訂正させていただきました 2011年4月25日追記)。
ズーミングはシャッターボタン一体型のズームレバーと、鏡胴のズームリングのいずれでも行える。ズームリングはねっとりとした重めの感触で、瞬時にテレからワイドに切り替えるという感じではないが、この重さは動画撮影中にズーミングを行っても映像が安定するという利点にもつながっている。鏡胴脇のスイッチを切り替えることで、ズームリングをフォーカスリングとして利用することもできる。
カタログ上でのサイズは121.6(幅)×86.6(高さ)×93.1(奥行き)ミリで、いわゆるミラーレス一眼(+標準ズームレンズ)とエントリー向け一眼レフ(+標準ズームレンズ)の中間的な大きさ。重さは撮影時重量で約577グラムで、こちらもミラーレスとエントリー向け一眼の間ぐらいといえよう。レンズ部がボディからはみ出しており、なおかつ、グリップも十分な大きさがあるので、撮影時には左手でボディ底面とレンズ、右手ではグリップを持つことで、しっかりホールドできる。
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