A3ノビのフォトプリンタでは、文書印刷も想定した一般的なプリンタほど印刷速度が重視されないが、高画質を高速に印刷できるに超したことはない。
ここでは高画質の設定での印刷速度を計測してみた。出力した画像データは、印刷サンプルにも用いた「カラー静物」と「モノクロ風景」だ。
計測結果は下表に示したが、確かにPX-5600からのスピードアップも見られ、この画質でこの速度なら不満はない。
PX-5Vの印刷速度 | ||||
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カラー/モノクロ | 用紙サイズ | メディア種別 | 画質設定 | 印刷時間 |
カラー | A4 | 写真用紙 クリスピア<高光沢> | 超高精細 | 3分46秒1 |
カラー | A4 | Velvet Fine Art Paper | 超高精細 | 2分28秒7 |
カラー | A3ノビ | 写真用紙 クリスピア<高光沢> | 超高精細 | 8分4秒3 |
カラー | A3ノビ | Velvet Fine Art Paper | 高精細 | 4分42秒2 |
カラー | A3ノビ | Velvet Fine Art Paper | 超高精細 | 7分45秒1 |
モノクロ | A3ノビ | Velvet Fine Art Paper | 高精細 | 4分37秒2 |
モノクロ | A3ノビ | Velvet Fine Art Paper | 超高精細 | 7分47秒7 |
以上、新鋭機のPX-V5をチェックした。量販店での実売価格は8万円台後半(エプソンダイレクトの直販価格は8万9980円)で、PX-5600からほぼ据え置きだ。インクジェット方式のA3ノビ対応フォトプリンタとしては高額だが、家庭向け複合機の写真印刷では物足りず、個人で無理なく導入できる最高クラスの印刷環境を望むユーザー層にとっては、そう高くない価格帯だろう。
デジタルフォト用のプリンタとして、PX-5600がセンセーショナルな製品だっただけに、その後釜としてはプリントエンジンやインクといった面での目新しさに欠けるのは仕方ない。画質の進化点はわずかだが、逆にいえば、PX-5600の時点で完成度が高かったのだから、そこからの前進は満足できるはずだ。
一方、快適な操作性という点は、これまでのEPSON Proselectionシリーズのプリンタで唯一欠けていたといえる部分で、筆者も長らく感じ続けてきた不満が大きく軽減されたのは喜ばしい。プリントすればするだけ、その恩恵をかみ締めることができた。
PX-5600からの買い替えとなると踏ん切りが難しいだろうが、フォトプリントの頻度が高い人ほど、導入後に効率アップが図れるに違いない。これから大判フォトプリントの世界に足を踏み入れたいというデジカメユーザーにとっては、まず検討したい高品位な1台といえる。
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