GfK Japan調べによる、デジタルビデオカメラの販売ランキングをまとめた。GWの最中という行楽需要が結果に直結する時期の集計結果であるせいか、パナソニック「HDC-TM45」やソニー「HDR-CX180」、日本ビクター「GZ-HM450」、キヤノン「iVIS HF R21」など小型軽量かつ、価格的にも手の届きやすいスタンダードモデルが好調である。
順位 | 前回順位 | メーカー | 製品名 |
---|---|---|---|
1位 | 1 | パナソニック | HDC-TM45 |
2位 | 2 | ソニー | HDR-CX180 |
3位 | 4 | ソニー | HDR-CX560V |
4位 | 3 | 日本ビクター | GZ-HM450 |
5位 | 5 | キヤノン | IVIS HF R21 |
6位 | 6 | 日本ビクター | GZ-HM670 |
7位 | 7 | キヤノン | IVIS HF M41 |
8位 | 9 | パナソニック | HDC-TM85 |
9位 | 8 | パナソニック | HDC-TM90 |
10位 | 10 | ソニー | HDR-CX700V |
一昔前ならば、家庭用ビデオカメラにおいてスタンダードモデルとミドル/ハイエンドモデルの間には歴然としたスペック差が存在しており、売れ筋はミドルクラスだった。しかし、AVCHD形式によるフルハイビジョン記録が一般化した今、スタンダードとミドル/ハイエンドクラスの差異は操作性やレンズ・センサー性能(描写性能)、3D対応などとなっており、画質の追求が第一ではない、運動会や家族旅行の記録という用途が主であると考えれば、あえてミドル/ハイエンドモデルを選択する必然性は少なくなっているのが現状だ。
ただ、ランキングにはソニー「HDR-CX560V」「HDR-CX700V」、日本ビクター「GZ-HM670」、キヤノン「HF M41」などミドルクラスに属する製品も姿を見せている。これらはファインダー搭載といったスタンダードモデルでは備えない操作性の高さや(HDR-CX700V、HF M41がファインダー搭載)、高倍率ズームレンズ(GZ-HM670は40倍ズームレンズ)の搭載など、プラスアルファのアピールポイントを有しており、それが実売に反映されたものと想像できる。
家族の姿を保存するというファミリーユースをメインとするならば、スタンダードモデルでも十分だが、快適な操作性や高倍率ズームレンズ、より高い画質などのプラスαがほしければミドル/ハイエンドモデルを選択するというのが今春の製品選択の考えかたとなる。そのなかで、今春モデルから採用が増えている1080/60p記録についても、前述のようなファミリーユースメインならば必要性は薄い。
1080/60p(プログレッシブ)記録は、既存製品で利用されている1080/60i記録に比べると1コマの時間あたり情報量が約2倍となるため、より高画質での記録が可能となるが、AVCHD規格には現在、1080/60pが策定されていないため、各社の独自規格という扱いになる。ここがネックだ。
各社の独自規格であるため、保存および編集環境も未整備である。基本的には同一メーカーかつ対応機器でしか動作が保証されないほか(例:パナソニック「ディーガ」「ビエラ」の1080/60p対応表)、対応していても1080/60pのままではなく、AVCHD準拠の状態まで画質を落とさないと再生や編集が行えない機器も結構ある。1080/60pの状態を保持したままでのBD/DVDディスク作成ができないのも、映像を祖父祖母などへ渡す可能性のあるファミリーユースを考えると厳しいものがある。
こうした手間をさける方法として確実なのは、1080/60pで映像を保存しないことだ。用意されている最高画質モードを使わないというのは非常にもったいないが、再生や保存、編集に生じる手間を考えるならば1080/60i、ビットレート24MbpsというAVCHDの最高画質モードで運用するのは悪い判断ではない。
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