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オリジナル写真集を見てもらおう――「PHOTOPRESSO」オンラインフォトストレージ探訪

» 2011年06月02日 09時52分 公開
[ITmedia]

 キヤノン「PHOTOPRESSO」は、「CANON iMAGE GATEWAY」会員向けとして提供が開始されたオリジナルフォトブック(写真集)を制作できるサービスだが、先日のリニューアルに伴い、一般の利用も可能となった。

 単に写真をフォトブックとして印刷するだけならば既に多くのサービスが各社より提供されているが、PHOTOPRESSOはフォトブックを制作し、Web上に公開するだけならば無料で利用できる。そのため、友人や知人へ写真を見てもらうオンラインフォトストレージサービスのような使い方も可能だ。

photo PHOTOPRESSO

 基本的な流れは「ブックの新規作成」「写真のアップロード」「表紙とタイトルの決定」「キャプション付けなどの編集」「プレビューでの確認」「公開」となる。ブック1冊あたりアップロードできる上限枚数は300枚(総容量1Gバイト)となっているが、実際にレイアウトできる写真の上限は201枚となる。なお、1枚あたりのファイル上限は20Mバイトだ。写真のアップロードについては、CANON iMAGE GATEWAYへ画像をアップロード済みならばそこから選択することもできる。

photo ブック作成を選択するとこの画面へ遷移する
photo ブックの基本フォーマット。表紙含まずで36ページが基本ページ数で、2ページ単位にて200ページまで追加可能
photo まずは写真のアップロード。CANON iMAGE GATEWAYのオンラインアルバムに写真がアップロードずみならばそこからのインポートもできる。なお、タレントやスポーツ選手の写真、他人の著作物といった「第三者の権利を侵害する場合もしくは公序良俗に反すると当社が判断した場合」(FAQより)に該当する写真については利用が禁止されている

 対応する画像ファイルの形式はJPEGのみで、印刷までをシームレスに行えるサービスらしく、色空間についても注意書きがある。推奨されているのはsRGBのファイルで、Adobe RGBなどsRGB以外の色空間で撮影された写真についてはアップロード時にsRGBに変換されるため、プレビューや公開などの際に、オリジナルと色味が異なってしまう。

 「本の制作」というと手間がかかると想像してしまうが、PHOTOPRESSOではまず写真を放り込み、その後に必要に応じて写真点数を増減したり、キャプションをつけたり、レイアウトを変えたりという制作手順となる。そのため、写真を日付あるいはイベントごとに管理している人ならば、まずフォルダの中身をまるまる放り込むことが可能となるため手間が省ける。

photo 写真アップロード直後
photo アップロードした写真は一覧確認もできる
photo 写真の角を丸くする、フォントを明朝/ゴシックに切り替えるなども可能だ

 写真をアップロードした後は編集作業になる。任意のページへ右上の写真レイアウトアイコンをドラッグ&ドロップし、次に写真をドラッグドラッグ&ドロップしていけばその通りにレイアウトされる。キャプションとして文字を添えたい場合には入れたい場合は、レイアウトアイコンからテキストエリアをページへドラッグ&ドロップし、その後にレイアウトアイコン、写真とドラッグ&ドロップしていく。

photo ページへレイアウトアイコンと写真をドラッグ&ドロップしていく
photo 写真だけをドラッグ&ドロップするとこのレイアウトで写真が入る
photo 位置の微調整や拡大縮小も簡単に行える

 写真レイアウトは全7種類。見開きの2ページにまたがって1枚の写真を配置することも可能なほか、文字だけのページを設けることもできるので、簡易的な製本サービスとしても十分といえよう。編集はページごとの詳細編集画面のほか、ブック全体の閲覧画面からでも行えるので、詳細編集をしながら閲覧画面を適時振り返ると、バランスよく仕上がるだろう。

 最後にプレビューで確認して、「編集を終了する」をクリックすれば編集は終了。このフォトブックをオンラインで友人へ見せたい場合、一度、ホーム画面へ戻る。戻ると「完成済みブック」の項目に先ほど編集したフォトブックが表示されているので、この本のアイコンをクリックすると右上に「ゲストルームへ追加する」のアイコンが表示されていることが分かるだろう。

 見せたい人を限定して公開する場合は、この「ゲストルーム」へその人を招待して、完成したフォトブックを見てもらうことになる。招待者にはメールが送信され、そのゲストルームへアップされたフォトブックの閲覧、および印刷注文を行える。招待された後の閲覧画面では、ページごとにコメントをつけることも可能だ。なおゲストルームでは6冊までのフォトブックが公開できるので、「家族」「会社」「友人」などクラスタごとにゲストルームを作成するとよいかもしれない。

photo ブック全体の閲覧画面。この画面からの編集も可能
photo 最後にプレビューで確認すれば編集は終了
photo フォトブックのWeb公開は、完成したフォトブックの確認画面から

photo 招待メールのURLをクリックすると、招待されたゲストルームでフォトブックを閲覧できる
photo コメントは付せん紙のように表示される
photo サイズを大きくしての閲覧も可能

 PHOTOPRESSOの印刷料金は1冊1700円(40ページ)からだが、Web上に写真集をつくって公開するだけならば無料で行える(要会員登録)。イベントの写真を共有したいというような、気軽な目的だけならば30days Albumなど他サービスのほうが便利な側面があることは確かだが、表紙やキャプション、レイアウトなど細部にこだわれるのは本サービスのメリットだ。

 「ギャラリー」を利用すれば作成したブックの一般公開も可能で、既にレイアウトなどに工夫を凝らした力作が多数公開されている。そうした意味では、1枚2枚を知人へ見せるというより、成長記録やイベントなど何らかのテーマがある複数枚の写真を見せることに適したサービスといえる。

名称 PHOTOPRESSO
価格 無料(Web公開のみ)/製本は1冊1700円から
対応フォーマット JPEG
公開範囲設定 限定/会員
専用アプリケーション iPhone/iPad(予定)

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